next up previous 次: は行 上: な行 前: のぶ

のり

のり(法・則・典・範・程・度)[nori]

◯動詞「のる(宣)」は、人の前では言うべきでないことを、神や特定の人の前で明かして言う、の意。その連用形名詞であり、言うべきでないそのこと。神や為政者の言ったこととして、掟や規準の意味。

※中古以降はもっぱら佛教用語として、仏の教えを意味する。

※タミル語<neri>由来。

▼法律。掟。従い守るべきよりどころ。のっとるべきこと。 ▽上位の者からの命令。おきて。法令。規則。 ◇『日本書紀』推古「故、今(こ)の時に当たりて、僧尼、未だ法律(のり)を習はぬを以て、たやすく悪逆なることを犯す」

▽下位の者がつき従うべき模範。手本。 ◇『万葉集』三八〇九「商返し領らすとの御法あらばこそわが下衣返し賜(たば)らめ」

▼規準。規矩。はかるときのよりどころ。測定のもととなるもの。やりかた。方法。方式。型。 ◇『日本書紀』神代「其の宮を造る制(のり)は、柱は高く大し。板は広く厚くせむ」 ◇『日本書紀』垂仁「今より以後、是の土物を以て生人(いきたるひと)の更易へて、陵墓に樹てて、後葉(のちのよ)の法則(のり)とせむ」 ◇「みちのり」 ◇「内のり」、「外のり」。

▼仏法。仏道。仏の教え。 ◇『仏足石歌』「人の身は得がたくあれば法の為の」