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はつ

はつ(初)[hatu]←[fatu]

◯[fat]は「は(端、刃、葉)」、[u]は何かがなされること。もののはじめの部分が現れる意味。

※[fatu]はタミル語<pat-u>に起源。 存在するようになる。現れる。起こる。心に浮かぶ。花が咲く。

◆生の循環で新たな段階になること。季節が変わるとき。あることの一定の周期のそれらしい徴候がみえはじめるはじめの部分。接頭語として用いる。

※類語

【にひ(新)】「まだ誰も手をつけていない」、あるいは「…したばかり」の神聖な新穀が原義。 ◇「新草」、「新嘗」、「新膚」。

【うひ(初)】「生まれて初めて」の意。人の身にはじめてのこと。 ◇「初産」、「初陣」、「初孫」。 ◇『古今集』四三六「我はけさうひにぞ見つる花の色を」

▼はじめてであること。最初。 ◇おはつにお目にかかります。 ◇世界でも初の試み。 ◇「初物」「初風」「初雁」「初霜」「初春」「初草」「初声」「初節供」 ◇『万葉集』四三〇六「初秋風涼しき夕べ解かむとそ結びし妹に逢はむため」 ◇『万葉集』四四九三「始春(はつはる)の初子の今日の玉箒手に執るからにゆらく玉の緒」

▼年や月の初め。年のはじめにとれるもの。 「初夢」「初午」「初雪」 ◇『万葉集』三四六八「山鳥の尾ろの初麻に鏡懸け唱ふべみこそ汝は寄そりけめ」

▼はじめてのこと。 「初軍」「初槍」

▼「はつはつ(端端)」 ◇『万葉集』二四一一「白たへの袖をはつはつ見しからにかかる恋をもわれはするなり」