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ひ(日)

ひ(日)[hi]←[fi]

◯太陽そのもの。また、太陽の光によって明るい間。

※[firu](昼)はタミル語<vel>に起源。

◆太陽。太陽があがっている間。

※「ひ(日)」、「ひ(霊)」の[i]と「ひ(火)」の[i]は古代にあってはいわゆる甲類、「ひ(火)」は乙類で音が異なる。「ひ(火)」は「ひ(日)」を根拠とするがしかし同じことではないとしてとらえられていた。日が地上に降り、明るく照らす「ひ(火)」となるととらえていた。

▼太陽。 ◇『古事記』上・歌謡「青山に比(ヒ)が隠らばぬばたまの夜は出でなむ」 ◇日に焼ける、日があたる。 ◇『万葉集』一九九五「六月の地さへ割けて照る日にも」

▽太陽が東に出てから西に沈むまでの間。ひるま。ひる。日中。 ◇日が長くなる。 ◇『古事記』中・歌謡「夜には九夜比(ヒ)には十日を」 ◇『万葉集』一九九五「夜はも夜のことごと、昼はも日のことごと」

▽時間の単位としての一日 ◇日に何度も思い出す ◇雨の日のこと。 ◇『土左日記』「日しきりにとかくしつつ、ののしるうちに夜ふけぬ」

▽時の流れの中にある時点、時期を、単位としての一日になぞらえていう。時。折。一時期。時代。 ◇若き日の彼女 ◇『万葉集』二四三「白雲も三船の山に絶ゆる日(ひ)あらめや」 ◇『万葉集』九七三「帰りこむ日相飲まん酒(き)そ」

▽一定の日。日限。また、日時。日数。ひかず。 ◇日を限る。 ◇『竹取物語』「日を定て、御かりに出たまうて」 ◇日が経つ、日を重ねる ◇『万葉集』四一二二「雨零らず日の重なれば」