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み(身)

み(身)[mi]

◯ものとことのともにある人ととらえた人の全体。。

◆命あるからだと、それにまつわるすべてのことを、ひとつにとらえた、人そのもの。生命、境遇など、世の中であり方のすべてをいう。

※「からだ」はものとしての肉体。生命の有無にかかわらない。

▼身体。肉体。 ▽人、または他の動物のからだ。 ◇『万葉集』二六一九「朝影にわが身は成りぬ韓衣 裾の合はずて久しくなれば」 ◇『竹取物語』「おのが身はこの国の人にもあらず」

▽胴体 ◇『風土記』備前「寝たる蛇あり、身は人にして沼の底に沈み、頭は蛇にして沼の岸に臥せりき」

▽骨、皮に対して、人や鳥、獣、魚、貝などの肉をいう。 ◇「白身」 ◇『万葉集』二七九七「住之江の浜に寄るとふうつせ貝実(貝の身とまことの実をかける)なき言以ちわれ恋ひめやも」

▼容器、外殻、外観などに対してなかみをなすもの。内容。実質。⇒実(み) ▽刀剣の鞘(さや)の中におさまっている部分。刀身。 ◇「抜き身」

▽蓋(ふた)なる容器の物をいれる側。 ◇「蓋と身」 ◇『古今集』仮名序「文屋の康秀は、言葉はたくみにて、そのさま身におはず」

▼世にある人。 ▽その人自身の有様、または位置。その人の立場。身の上。身のさま。◇「相手の身になって考える」 ◇「身に覚えのない罪」 ◇『万葉集』四五〇五「磯の浦に常に喚び来棲む鴛鴦(おしどり)の惜しき吾が身は君がまにまに」 ◇『伊勢物語』八四「身はいやしながら、母なん宮なりける」 ◇『太平記』二〇「朕不肖の身を以て、天下の太平を求む」 ◇『徒然草』一〇六「かくの如くの優婆夷などの身にて」

▽命あるからだ。生命。 ◇『源氏物語』浮舟「なほ、わがみを失ひてばや」 ◇『源氏物語』御法「残り少なしと、身をおぼしたる御心のうちには」

▼代名詞として。 ▽自称。中世、近世において男子がやや優越感をもって、自分をさしていう語。 ◇『虎明本狂言』末広がり「すゑひろがりは身が蔵にはないか」

▽対称。接頭語「お」「おん」を伴って、相手をさしていう語。 ◇「おんみ」