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かがやく

かがやく(輝く)[kagayaku]

※世前期まで「かかやく」と清音で発語されていた。「ひかる(光る)」は、用例「螢が光る」光の強弱には関係ない。「てる(照る)」は一定のところが明るくなることで、「照る月」のように光が強くはないときにも用いる。

※「かげ」と語根[kag]を同じくする言葉で「かがよふ(耀ふ)」と、現代では混合されているが、別語。である。「かがよふ(耀ふ)」は「かげろう(陽炎)」と同じで、光の具合でちらちら、あるいはゆらゆらと見えることである。

◆まぶしいほどに光が放たれる様。その光がまぶしいほどに反射する。

▼まぶしいほど四方に光を発する。

▽きらきらと美しく光る。また、つややかな美しさを発する。 ◇『西大寺本金光明最勝王経平安初期点』二「妙頗黎の網のごとくして暎(カカヤケ)る金の躯をば」 ◇『紫式部日記』寛弘五年九月十一日「少將の君は秋の草むら蝶・鳥などを白銀(しろかね)して作りかかやかしたり」

▽美しさ、はなやかさなどのために、まぶしく感じる。 ◇『源氏物語』若菜上「この御屏風の墨つきのかかやくさまは」 ◇『源氏物語』絵合「今めかしうをかしげに目もかかやくまで見ゆ」

▼(まぶしい意味から)照れる。恥ずかしくて顔をほてらせる。顔を赤くして恥ずかしがる。 ◇『源氏物語』夕顔「いかなる事とも、聞き知りたるさまならねば、なかなか恥ぢかかやかんよりは、罪許されてぞ見えける」 ◇『源氏物語』総角「見苦しげなる人人もかかやき隱れぬるほどに」

▼(希望などがあって)明るさがあふれる。(名誉や地位などを得て)はなばなしく感じられる。名声・威光を世に示す。(熱意・希望の気持ちを)目や顔にあふれさせる。 ◇『太平記』十九「其の名は永く止まりて武を九泉の先に耀(かかやか)す」 ◇『学問のすすめ』福沢諭吉「一時に其の名誉を四方に耀かしたることあり」 ◇『浮雲』二葉亭四迷「よし思ったところで、華やかな耀(かがや)いた未来の外は夢にも想像に浮かぶまい」 ◇『早稲田大学校歌』「現世を忘れぬ久遠の理想、かがやくわれらが行手を見よや」 ◇『妄想』森鴎外「これまでの洋行帰りは、希望に耀く顔をして」 ◇『故旧忘れ得べき』高見順「自分は輝けるマルクス主義者である」 ◇『破戒』島崎藤村「敬慕の表情を満面に輝かしながら」 ◇『天鵞絨』石川啄木「目を輝かして熱心に語った美しい顔が」 ◇「希望に輝く顔」。「いのち輝く」。