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かしら

かしら(頭)[kasira]

◯全体の中でいちばん上の部分。

◆人や動物の頭。ものの集まりで方向性があるとき、最上部や最先端。そして、集団の統率者や統領。

※タミル語<katir(穀物の穂)>由来。

▼人や動物の首から上の部分。また、それに類似するもの。 ▽人や動物の頭部。首部。あたま。こうべ。 ◇「頭、右(左)!」 ◇『万葉集』四三四六「父母が可之良(カシラ)かき撫で幸くあれていひし言葉(けとば)忘れかねつる」 ◇『源氏物語』葵「人間(ひとま)に、からうじてかしらもたげたまへるに、ひき結びたる文 御枕のもとにあり」

▽動物の頭部。 ◇『枕草子』四一「かしらあかき雀。斑鳩の雄鳥。たくみ鳥」

▽髪の毛。頭髪。 ◇『古今集』一〇〇三「かしらはしろくなりぬとも」

▼集合体についていう。 ▽物の最も上の部分。また、最も先の部分。うえ。さき。 ◇『古今集』四三九「をみなえしといふいつもじを、くのかしらにおきてよめる」

▽人の集団の最上位にいて、それを統率する人。統領。頭目。 ◇『今昔物語』七・三〇「山竜見レバ、首(かしら)タル大官一人在(まし)マス、高キ床ニ坐セリ」

▼数詞で用いる。 ▽人や動物などを数えるのに用いる。 ◇『宇治拾遺物語』七・一「もし、この宣旨をそむきて、鹿の一頭(かしら)にてもころす者あらば、すみやかに死罪に行わるべし」

▽仏像などを数えるのに用いる。 ◇『宇治拾遺物語』九・五「『まさゆきが仏やつくりたる』と問へば〈略〉『五頭(かしら)つくり奉れり』といふ」

▽烏帽子(えぼし)を数えるのに用いる。 ◇『義経記』七「一挺の笈(おひ)には折らぬ烏帽子十頭(かしら)、直垂、大口などをぞ入れたりけり」