■[fa]は「はし(端)」や言の葉の「は」[fa]と同じく「端」であり「言葉」である。[nasu]は「なす」。ここから、端に置くことを意味する。
◆隙間なく置かれていたものの一方を、離しておくこと。 見たり聞いたりしたことを言葉にする。
言挙げすることを、あらたまって考えることから、「話す」は古代に用例が少ない。
▼隙間なくくっついている状態のものを解いて分ける。 ◇『万葉集』三四二〇「上つ毛野佐野の舟橋取り波奈之(ハナシ)親は放(さく)れど我は放(さか)るがへ」
▽人や物などを、一定の場所や位置などから遠ざける。解放する。 ◇この手紙を肌身離さず持っている。 ◇犬を放してやる。 ◇『平家物語』六「桂の鵜飼いが鵜の餌にせんとて、亀を取って殺さんとしけるを、着給へる小袖を脱ぎ、亀に換へ、はなされたりしが」
▼ことばで伝える。口に出して述べる。いう。
◇人前で話すのが苦手だ。