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東大理系後期

(1)
$b\le \dfrac{1}{2}$ かつ 2b=b または, $\dfrac{1}{2}<b$ かつ-2b+2=b より $b=0,\ \dfrac{2}{3}$
(2)
一般に $0\le b<1$ のとき, f(x)=bとなる x は,

\begin{displaymath}\dfrac{b}{2},\ 1-\dfrac{b}{2}
\end{displaymath}

で, b=1 ならf(x)=1となる x $x=\dfrac{1}{2}$ である. これにもとづいて an+1=f(an) より a4 からはじめて順次 n の小さいものを作っていく.

\begin{eqnarray*}a_4&=&0,\ \dfrac{2}{3}\\
a_3&=&0,\ \dfrac{1}{3},\ \dfrac{2}{3...
...}{3\cdot2^2},\
\dfrac{8}{3\cdot2^2},\ \dfrac{7}{3\cdot2^2}\\
\end{eqnarray*}



\begin{displaymath}∴ \quad a_1=\dfrac{j}{12}\ \ \ (j=0,\ 1,\ \cdots,\ 12)
\end{displaymath}

(3)
同様に

\begin{displaymath}a_1=\dfrac{j}{3\cdot2^{n-2}}\ \ \ (j=0,\ 1,\ \cdots,\ 3\cdot2^{n-2})
\end{displaymath}

と推測される.これを数学的帰納法で示す. n=1 のときは(1)より成立している. n=k のとき成立しているとする. n=k+1 のときの a2 がとりうる値は n=k のときのa1 がとりうる値に等しい.ゆえにn=k のときの仮定より

\begin{displaymath}a_2=\dfrac{j}{3\cdot2^{k-2}}\ \ \ (j=0,\ 1,\ \cdots,\ 3\cdot2^{k-2})
\end{displaymath}

である.したがって

\begin{eqnarray*}a_2&=&\dfrac{j}{3\cdot2^{k-1}}\ \ \ (j=0,\ 1,\ \cdots,\ 3\cdot2...
...-1}-j}{3\cdot2^{k-1}}\ \ \ (j=0,\ 1,\ \cdots,\ 3\cdot2^{k-2}-1)
\end{eqnarray*}


つまり

\begin{displaymath}a_1=\dfrac{j}{3\cdot2^{k-1}}\ \ \ (j=0,\ 1,\ \cdots,\ 3\cdot2^{k-1})
\end{displaymath}

となり,n=k+1 でも成立する.

\begin{displaymath}∴ \quad a_1=\dfrac{j}{3\cdot2^{n-2}}\ \ \ (j=0,\ 1,\ \cdots,\ 3\cdot2^{n-2})
\end{displaymath}

(4)
背理法で示す.すべての n に対して $a_n<\dfrac{3}{4}$ とする. このときある番号 n で 初期値 a1 は(3)のいずれかに一致するものが 存在すること示せばよい. つまりある番号 n0an0=0 または $a_{n_0}=\dfrac{2}{3}$ となるものが 存在すること示せばよい. a1=0 なら存在した. もし $0<a_1\le\dfrac{1}{2}$ なら a2=2a1 と, $\dfrac{1}{2}$ 以下であるかぎり 順次2倍されていくので,必ずある番号 n0 $\dfrac{1}{2}<a_{n_0}<\dfrac{3}{4}$となるものがある.さらにこのとき

\begin{displaymath}a_{n_0+1}=-2a_{n_0}+2<\dfrac{3}{4}
\end{displaymath}

なので

\begin{displaymath}\dfrac{5}{8}<a_{n_0}<\dfrac{3}{4} \quad \cdots\maru{1}
\end{displaymath}

である.したがって同様に

\begin{displaymath}\dfrac{5}{8}<a_{n_0+1}<\dfrac{3}{4} \quad \cdots\maru{2}
\end{displaymath}

である.$\maru{1}$なら$\maru{2}$がつねに成り立つので $n\ge n_0$ に対して

\begin{displaymath}\dfrac{5}{8}<a_n<\dfrac{3}{4}
\end{displaymath}

である.ゆえにこの範囲の n に対しては漸化式 an+1=-2an+2 が成立する. これから

\begin{displaymath}a_{n+1}-\dfrac{2}{3}=-2\left(a_n-\dfrac{2}{3}\right)
\end{displaymath}

つまり

\begin{displaymath}a_n-\dfrac{2}{3}=(-2)^{n-n_0}\left(a_{n_0}-\dfrac{2}{3}\right)
\end{displaymath}

ここで $a_n<\dfrac{3}{4}$なので

\begin{displaymath}(-2)^{n-n_0}\left(a_{n_0}-\dfrac{2}{3}\right)+\dfrac{2}{3}<\dfrac{3}{4}
\end{displaymath}

これから

\begin{displaymath}(-2)^{n-n_0}\left(a_{n_0}-\dfrac{2}{3}\right)<\dfrac{1}{12}
\end{displaymath}

これが $n\ge n_0$ であるすべての n で成立しなければならない. もし $a_{n_0}-\dfrac{2}{3}\ne 0$なら

\begin{displaymath}\lim_{n \to \infty} \left\vert(-2)^{n-n_0}\left(a_{n_0}-\dfrac{2}{3}\right) \right\vert
=\infty
\end{displaymath}

なので,十分大きい nn-n0 が偶数になるものについては

\begin{displaymath}(-2)^{n-n_0}\left(a_{n_0}-\dfrac{2}{3}\right)<\dfrac{1}{12}
\end{displaymath}

が成立しない. ゆえに $a_{n_0}=\dfrac{2}{3}$.つまり番号 n0 に対しan0 が(1)の値に一致した. ゆえに a=1 は(3)の条件をみたすことになり,背理法が成立した.
(5)
数列$\{a_n\}$の初期値 a1 が(3)の条件をみたせば, ある番号 n0 があって $n\ge n_0$ なら つねにan=0 か,つねに $a_n=\dfrac{2}{3}$となる.つまり数列 $\{a_n\}$は收束する. 数列$\{a_n\}$の初期値 a1 が(3)の条件をみたさないとする. (4)より,ある番号 n1 $a_{n_1}\ge\dfrac{3}{4}$ となるものがある. このとき an1+1=-2an1+2 より $a_{n_1+1}\le\dfrac{1}{2}$ となる. ここでもし n>n1 なる n に対してつねに $a_n<\dfrac{3}{4}$ なら,(4)と同様の 議論によって,ある n0 $a_{n_0}=0,\ \dfrac{2}{3}$ となるものがあり, 数列$\{a_n\}$の初期値 a1 が(3)の条件をみたさなければならない. ゆえに n2>n1 $a_{n_2}\ge\dfrac{3}{4}$ となるものがあり, $a_{n_2}\le\dfrac{1}{2}$ となる. これをくり返せば, $n_1<n_2<n_3<\cdots $ $a_{n_1},\ a_{n_2},\ a_{n_3},\ \cdots \ge\dfrac{3}{4}$ となるものが存在し,このとき $a_{n_1+1},\ a_{n_2+1},\ a_{n_3+1},\ \cdots \le\dfrac{1}{2}$ である. つまり数列 $\{a_n\}$ の項で $a_n\ge \dfrac{3}{4}$ となるものと, $a_n\le\dfrac{3}{4}$ となるものが無数に存在する. 数列 $\{a_n\}$ は発散部分列を含むので,発散する. よって数列 $\{a_n\}$ が收束するための 必要十分条件は数列$\{a_n\}$の初期値 a1 が(3)の条件を満たすことである.

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AozoraGakuen
2002-06-21