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早稲田商1番解答

(1)  三角形ABCの外接円の半径を $ R $ とすると,正弦定理から, \[ \dfrac{\mathrm{BC}}{\sin \angle \mathrm{A}}= \dfrac{\mathrm{CA}}{\sin \angle \mathrm{B}}= \dfrac{\mathrm{AB}}{\sin \angle \mathrm{C}}=2R \] である. \[ \sin \angle \mathrm{A}=\sin (\pi-\angle \mathrm{B}-\angle \mathrm{C})=\sin(\angle \mathrm{B}+\angle \mathrm{C}) \] なので, $ \angle \mathrm{B}=2\alpha $ , $ \angle \mathrm{C}=2\beta $ より, \begin{eqnarray*} y&=&\dfrac{\sin \angle \mathrm{B}+\sin \angle \mathrm{C}}{\sin(\angle \mathrm{B}+\angle \mathrm{C})} =\dfrac{\sin 2\alpha+\sin 2\beta}{\sin(2\alpha+2\beta)}\\ &=&\dfrac{2\sin(\alpha+\beta)\cos(\alpha-\beta)}{2\sin(\alpha+\beta)\cos(\alpha+\beta)} =\dfrac{\cos(\alpha-\beta)}{\cos(\alpha+\beta)}\\ &=&\dfrac{\cos\alpha\cos\beta+\sin\alpha\sin\beta}{\cos\alpha\cos\beta-\sin\alpha\sin\beta}\\ &=&\dfrac{1+\tan\alpha\tan\beta}{1-\tan\alpha\tan\beta}=\dfrac{1+x}{1-x} \end{eqnarray*}

(2)  $ f(x) $ は因数定理からある定数 $ a $ を用いて \[ f(x)=ax(x-1)(x-2)\cdots(x-n) \] とおけ, $ f(n+1)=n+1 $ より, $ a(n+1)!=n+1 $ なので, $ a=\dfrac{1}{n!} $ である. よって \[ f(x)=\dfrac{1}{n!}x(x-1)(x-2)\cdots(x-n) \] $ x(x-1)(x-2)\cdots(x-n) $ を $ x $ で微分すると, $ x,\ x-1,\ \cdots,\ x-n $ のいずれかを1に置きかえたものの積全体の和である. よって, \begin{eqnarray*} f'(k)&=&\dfrac{1}{n!}k(k-1)(k-2)\cdots\{k-(k-1)\}\{k-(k+1)\}\cdots(k-n)\\ &=&\dfrac{1}{n!}k!\{(-1)^{n-k}(n-k)!\}\\ &=&\dfrac{(-1)^{n-k}}{{}_n \mathrm{C}_k} \end{eqnarray*} である.これから, \begin{eqnarray*} \sum_{k=0}^n\dfrac{(1-\sqrt{2})^k}{f'(k)}&=& \sum_{k=0}^n{}_n \mathrm{C}_k(1-\sqrt{2})^k(-1)^{n-k}\\ &=&\{(1-\sqrt{2})-1\}^n=(-\sqrt{2})^n \end{eqnarray*} よって,条件 $ \displaystyle \sum_{k=0}^n\dfrac{(1-\sqrt{2})^k}{f'(k)}>2^{2021} $ は, \[ (-\sqrt{2})^n >2^{2021} \] となり, $ n $ は偶数で, \[ \dfrac{n}{2} >2021 \] つまり, $ n>4042 $ となる最小の偶数であり,条件を満たす最小の $ n $ は 4044 である.

(3) 条件 \[ \dfrac{1}{x}+\dfrac{2}{y}+\dfrac{3}{z}=1 \] より, \[ 3xy+2xz+yz=xyz \] である.よって \begin{eqnarray*} (x-1)(y-2)(z-3)&=&xyz-3xy-2xz-yz+6x+3y+2z-6\\ &=&6x+3y+2z-6 \end{eqnarray*} 条件式に相加相乗平均の不等式を適用して $ \displaystyle 1\geqq 3\sqrt[3]{\dfrac{6}{xyz}} $ である. これより, $ xyz\geqq 3^3\cdot 6 $ である. 等号は, $ \dfrac{1}{x}=\dfrac{2}{y}=\dfrac{3}{z}=\dfrac{1}{3} $ より, $ x=3,\ y=6,\ z=9 $ で成立する.
そして, \begin{eqnarray*} 6x+3y+2z-6&\geqq& 3\sqrt[3]{36xyz}-6\\ &\geqq& 3\sqrt[3]{36\cdot 3^3\cdot 6}-6=3\cdot 18-6=54-6=48 \end{eqnarray*} であり,この等号も $ x=3,\ y=6,\ z=9 $ で成立する.
よって, $ (x-1)(y-2)(z-3) $ は, $ x=3,\ y=6,\ z=9 $ のとき最小値 48 をとる.

(4)  $ \mathrm{P}_5 $ の次に $ \mathrm{P}_0 $ に戻るとすると, 6回の移動で $ \mathrm{P}_0 $ から $ \mathrm{P}_0 $ に戻る場合の数が求めるものである.

(i) 1つの軸上のみ動く場合.軸の決め方が3通りあり, そこで1と $ -1 $ の動きが3回ずつなので, \[ \dfrac{6!}{3!3!}\times 3=20\times3=60\ (通り) \]

(ii) 2つの軸上のみ動く場合. 1つの軸上を4回,他の軸上を2回動く. 軸の決め方が $ 3!=6 $ 通りあり,2回ある動きが2つあるので, \[ \dfrac{6!}{2!2!}\times 6=180\times6=1080\ (通り) \]

(iii) 3つの軸上を動く場合. すべてが異なる動きになるので, \[ 6!=720\ (通り) \]

あわせて,選び方の総数は 1860 通りである.

問題