2022年入試問題研究に戻る大阪公立大 後期 第5問解答
問1 $ K $ の頂点の数を $ v $ ,辺の数を $ e $ とする.
$ K $ に関するオイラーの多面体定理より \[ v-e+f=2 \] が成り立つ.
$ v=24 $ , $ e=36 $ であるから, $ f=14 $ である.問2 正方形と正六角形の頂点の角は $ \dfrac{\pi}{2} $ と $ \dfrac{2\pi}{3} $ である. 1つの頂点に,4つ以上の面が集まると,その周りの頂点の角度の和が $ 2\pi $ 以上となり,凸多面体とならない. 面の数が2では,頂点にならない.
よって,1つの頂点に集まる面の数は3である.問3 $ K' $ の頂点の数を $ v' $ ,辺の数を $ e' $ ,面の数を $ f' $ とする.
$ K' $ の正方形の面の数を $ a $ ,正六角形の面の数を $ b $ とする.
このとき, $ f'=a+b $ であり,重ね置かずに数えれば,それぞれ辺の数は $ 4a $ と $ 6b $ で,辺は $ 4a+6b $ ある. 2つの辺で1つの辺が作られ,問2から3つの辺で1つの頂点が作られるので, $ e'=\dfrac{4a+6b}{2} $ , $ v'=\dfrac{4a+6b}{3} $ である.
$ K' $ に関するオイラーの多面体定理より \[ v'-e'+f'=\dfrac{4a+6b}{3}-\dfrac{4a+6b}{2}+a+b=2 \] これから $ a=6 $ である.問4 1つの頂点に集まる3つの面の,それぞれその頂点を含む多角形の頂点の角度の和は $ 2\pi $ より小さいので, ある頂点を共有する多角形とその辺の数は,重ね置かずに数えれば \[ \begin{array}{ll} 正六角形2個:辺4&,正方形1個:辺2\\ 正六角形1個:辺2&,正方形2個:辺4\\ 正六角形0個:辺0&,正方形3個:辺6 \end{array} \] のいずれかであり,何れにおいても \[ 正六角形の辺の数\leqq (正方形の辺の数)\times 2 \] が成り立っている. これが,各頂点で成り立つので,すべての頂点についてのこの辺数に関する不等式の和をとると, \[ 6b\leqq 4a \times 2 \] を得る. $ a=6 $ を代入することによって, \[ 6b\leqq 48 \] これから $ b\leqq 8 $ となり \[ f'=a+b=6+b\leqq 6+8=14=f \] が成立する. $ f\geqq f' $ であることが示めされた.
※ $ K $ のことを切頂八面体という. 八面体の頂点を一定のところで切り落とした立体である.