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不定方程式の整数解

未知数が$x$$y$,あるいは$x,\ y,\ z$など2個以上あり,係数が整数である方程式, 例えば
\begin{displaymath}
2x+3y=1,\ xy-2x-3y+1=0,\ \dfrac{1}{x}+\dfrac{1}{y}+\dfrac{1}{z}=1,\ x^2-3y^2=1
\end{displaymath}

のようなものでは,実数の解は無数にある.解が定まらないので不定方程式という. ところが,これらの方程式を満たす整数の組となると, 有限個であったり,すべてが書き下せたり,あるいは存在しなかったり,さまざまに変化する.不定方程式の整数解すべてを求めることはできるのか. 一般的に書くことができるのか.これが整数の主要な問題の一つである.

とくに一次不定方程式:

\begin{displaymath}
5x+2y=1,\ 7x-5y=3
\end{displaymath}

の整数解が重要なテーマである.$5x+2y=1$の整数解という問題では
\begin{displaymath}
\cdots,\
5(-2)+2(3)=1,\
5(1)+2(-2)=1,\
5(3)+2(-7)=1,\ \cdots
\end{displaymath}

といくつもある.すべての解を求める,あるいは解の一般形を求めるという問題が生まれる. さらに,$5x+2y=1$は暗算で解が一組は求まったが,
\begin{displaymath}
37x+13y=1
\end{displaymath}

となると,すぐには見いだせないし,そもそも解の存在からして明らかではない.

どのような条件で解が存在するのか. 一次不定方程式の解の存在条件と,すべての解を求める問題を解決しよう. ここでそのうち重要な二つを紹介する.


Aozora
2015-03-02