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根元事象が同様に確からしいとき

南海  標本空間$U$$N$個の要素からなり,根元事象の確率がすべて等しいとする. またその確率を$p$とし,

\begin{displaymath}
U=\{u_1,\ u_2,\ \cdots,\ u_N\}
\end{displaymath}

とする.

\begin{eqnarray*}
1&=&p(U)=p(\{u_1,\ u_2,\ \cdots,\ u_N\})\\
&=&p(u_1)+p(u_2)+\cdots+p(u_N)
\end{eqnarray*}

そして $p(u_1)=p(u_2)=\cdots=p(u_N)$であるから結局

\begin{displaymath}
p(u_1)=p(u_2)=\cdots=p(u_N)=\dfrac{1}{N}
\end{displaymath}

となる.

$A=\{u'_1,\ u'_2,\ \cdots,\ u'_r\}$をある事象とすると

\begin{eqnarray*}
p(A)&=&p(\{u'_1,\ u'_2,\ \cdots,\ u'_r\})\\
&=&p(u'_1)+p(u'_2...
...\
&=&\dfrac{1}{N}+\dfrac{1}{N}+\cdots+\dfrac{1}{N}=\dfrac{r}{N}
\end{eqnarray*}

つまり,根元事象の確率がすべて等しいときは

\begin{displaymath}
p(A)=\dfrac{n(A)}{n(U)}
\end{displaymath}

で与えられる.ただし$n(\quad )$は集合の要素の個数を表す.



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