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終結式

南海  不変式の問題に進む前に,判別式と関連して終結式を考えておこう. 終結式も高校数学でもっと取り上げるようにしたいものである.

定義 4 (終結式)
$x$の二つの整式$f(x)$$g(x)$がある. その根をそれぞれ $\alpha_i\ (i=1,\ \cdots,\ m)$ $\beta_j\ (j=1,\ \cdots,\ n)$とする.

\begin{eqnarray*}
f(x)&=&a_0x^m+a_x^{m-1}+\cdots+a_m=a_0\prod_{i=0}^m(x-\alpha_...
...
g(x)&=&b_0x^n+b_x^{n-1}+\cdots+b_n=b_0\prod_{j=0}^n(x-\beta_j)
\end{eqnarray*}

である.このとき

\begin{displaymath}
R={a_0}^n{b_0}^m\prod(\alpha_i-\beta_j)
\end{displaymath}

とおく.積 $\displaystyle \prod$において $i$ $i=1,\ \cdots,\ m$$j$ $j=1,\ \cdots,\ n$の上にわたる. $mn$個の積である.

$R$を方程式 $f(x)=0,\ g(x)=0$, または整式$f(x),\ g(x)$終結式という.

定義からただちに

\begin{eqnarray*}
R
&=&{a_0}^ng(\alpha_1)g(\alpha_2)\cdots g(\alpha_m)\\
&=&(-1)^{mn}{b_0}^mf(\beta_1)f(\beta_2)\cdots f(\beta_n)
\end{eqnarray*}

とも表せることが分かる.

整式を明示したいときは$R(f,\ g)$とも書こう.

$R$ $\alpha_i\ (i=1,\ \cdots,\ m)$に関して対称で, $\alpha_1$に関して$n$次である. また $\beta_j\ (j=1,\ \cdots,\ n)$に関して対称で, $\beta_1$に関して$
m$次である. これから$R$は係数 $a_0,\ \cdots,\ a_m$および $b_0,\ \cdots,\ b_n$の整式となる.

耕介  $f(x)$$g(x)$に共通根が存在することと $R(f,\ g)=0$が同値にになる,ということでしょうか.

南海  その通りである. また終結式は$f(x)=0$$g(x)=0$から$x$を消去し, 係数だけの関係を作ったのであるともいえる.

耕介  共通根があるということは,同じ$x$の値で成立することなので, 消去した関係が成り立つことと同値である,のですね.

南海  その通りである. そこで,$f(x)$$g(x)$も2次式の場合,終結式を求めてみてほしい.

耕介 

例 1.2  

\begin{displaymath}
f(x)=a_0x^2+a_1x+a_2,\
g(x)=b_0x^2+b_1x+b_2
\end{displaymath}

とし,$f(x)$の根を$\alpha$$\beta$とする.

\begin{displaymath}
a_0(\alpha+\beta)=-a_1,\ a_0\alpha\beta=a_2
\end{displaymath}

なので

\begin{eqnarray*}
R(f,\ g)&=&{a_0}^2g(\alpha)g(\beta)\\
&=&{a_0}^2(b_0\alpha^...
...{b_2}^2\\
&=&(a_0b_2-a_2b_0)^2-(a_0b_1-a_1b_0)(a_1b_2-a_2b_1)
\end{eqnarray*}

となります.

南海  この式はどこかで見たことがないだろうか. 文字が違うので気づかなかったかも知れない. 『数学対話』−「ポンスレの定理」の「楕円と円,$n=4$の場合」にある.このときは,消去法として用いた.


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