次: 一次変換とシュタイナー楕円の特徴付け
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定理 3
複素数平面上の3点を
,
,
とする.
とおき,
とおく.
に対応する点を
とする.
このとき次のことが成り立つ.
-
を焦点とし,
に各辺の中点で
内接する楕円が存在する.
- この楕円は
に内接する楕円のなかで面積最大のも
のである.
南海 まず次の補題を確認しておこう.
補題
定理3の証明
1.について
, , の中点をそれぞれ
, , とする.
である.
1.を示すためには次の2点を示せばよい.
- ∠ALU=∠VLB,∠BMU=∠VMC,∠CNU=∠VNA
- UL+VL=UM+VM=UN+VN
解と係数の関係から
が成立する.
-
は
と同値である.つまり
を示せばよい.
-
を示す.
ここで第1の項は
の対称式,
第2の項は
に無関係.
したがって
も同じ値を取るので,これらは相等しい.
したがって確かに題意を満たす楕円が存在する.□
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