数列はどのように定められるのか.
それは直接定義と帰納的定義である.
直接定義とは,自然数に対して
これに対して帰納的定義は例えば次のようなものである.
の値は与えられているので, それを順に代入していけば,数列が定まる. それは数学的帰納法によって示される.
のときの値は与えられている.
の値が決まるとする.このとき によっての値が定まる.
したがってすべてのに対して,の値が確定する.これを漸化式による数列の帰納的定義という. とに対してが定まるようなときは, 初期値はが必要だ. 数列を帰納的に定義する関係式が漸化式なのだ.
漸化式は,漸化式が問題の中で与えられたときに解くだけのものだ, と考えていないだろうか.実はそうではなく, 確率や場合の数を求める場合に漸化式を立てて求める, 数列を求めるために漸化式を立てる,ということが大切なのだ.
その総数や確率の漸化式を立てるにあたって大切なことは, 起こりうるすべての場合を数列に置くということである. こうすれば,のときのどの状態も1回試行を増やすことで, のときのいずれかの状態になるので, のときの事象がのときの事象からどのように定まるかを, 樹形図や場合分けを考え,その相互関係を求めることで必ず漸化式ができる.
漸化式を立てるのは方程式を立てるのと同じ意味をもつことである.