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存在することを示す問題は,一般になかなか難しい.
しかし,存在問題の証明をよく勉強することは,
なにより数学への理解を深めるし,
じっくり勉強しておくべきテーマだ.
存在することの論証は,より基本的で単純な存在原理に帰着させて示す.
高校数学で主に用いられる存在の証明方法は
- (1)
- 直接証明:作ってみせる.構成できるものは存在する.
- (2)
- 間接証明:鳩の巣原理.有限個のもののなかでの存在原理.
- (3)
- 間接証明:中間値の定理.連続するもののなかでの存在原理.
等である.またそれを変型した論証もある.
問題文をよく読み,与えられた条件から,
どのような存在原理に帰着させねばならないのかを考えよう.
なお,一次不定方程式の整数解の存在定理と,
ディリクレによる無理数を近似する有理数の存在定理は,
詳しくは『数論初歩』を参考にしてほしい.
Aozora Gakuen