第一は不変量の発見である. いろんな関数や,確率などの試行の過程,あるいは定数や変数の変化など, さまざまの「変化」がある. その変化を調べるときに,それらが変化しても変わらない関係や量を発見し, それを軸に変化の相互関係を解明する.
第二は不動点の発見だ. 関数のグラフが傾きなどいろいろと変化するとき, にもかかわらずつねに定点を通るなら そこを軸に考えればよい. 係数に媒介変数の入った曲線では,つねに通る点をさがそう. 図形が形を変えつつ移動するとき,つねに通る定点がわかれば糸口がつかめる.
これらを考える基礎の一つが恒等式の考え方である. すべてので成立する関係式とは, が変化しても動かない関係そのものだからである. 恒等式の正確な理解からはじめよう.