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不変な関係

変化の中で変わらないもの

数学の問題の多くは, 関数$y=f(x)$$x$の変化に対する$y$の値の変化という関数や, 平面上を動く点とか, 試行のたびに変化する値とか,いろいろと「動くもの」がある. その時,動くもののなかで動かないものを見つけることが, 問題を解くうえで大きなカギになることが多い.

第一は不変量の発見である. いろんな関数や,確率などの試行の過程,あるいは定数や変数の変化など, さまざまの「変化」がある. その変化を調べるときに,それらが変化しても変わらない関係や量を発見し, それを軸に変化の相互関係を解明する.

第二は不動点の発見だ. 関数のグラフが傾きなどいろいろと変化するとき, にもかかわらずつねに定点を通るなら そこを軸に考えればよい. 係数に媒介変数の入った曲線では,つねに通る点をさがそう. 図形が形を変えつつ移動するとき,つねに通る定点がわかれば糸口がつかめる.

これらを考える基礎の一つが恒等式の考え方である. すべての$x$で成立する関係式とは, $x$が変化しても動かない関係そのものだからである. 恒等式の正確な理解からはじめよう.



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