信州大3 解答 問題 2000年入試に戻る


  この問題は,『数学対話の部屋』の「ある3次式の因数分解と3次方程式」を勉強して入れば,問題の背景までよく分かる.

 この問題で使われている方法は「カルダノ(Girolamo Cardano 1501.924 - 1576.9.21)の公式」といわれるものである.それも「ある3次式の因数分解と3次方程式」にあるのでぜひ勉強してもらいたい.

 与えられた3次方程式を解くために,

を解くのが,「ある3次式の因数分解と3次方程式」で考えたことであった(問題ではu=-y,v=-zに置いている).

 この問題はそれを材料にしながら,はじめの3次方程式がすでに因数分解できている状況の下で,u と v を求めさせるものだ.この意味では問題のための問題に過ぎない.

ただ,「ある3次式の因数分解と3次方程式」の5節「虚数の意味」で話したが,これも3,6,-9という実数解を得るために当然途中では虚数が登場する.

どういうことになるのか,実行してみると面白い.

したがって

これを解くと

しかしこれは簡単な角度の極形式にならない.だから y つまり の3乗根は簡単には書けないのだ.

 今の場合はこの入試問題のおかげで

となることが分かる.

 問題を解くだけでなく,こういうことをいろいろと楽しもう!