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n=2 のとき

\begin{displaymath}a_1a_2+1-a_1-a_2=(a_1-1)(a_2-1) \ge 0
\end{displaymath}

で,等号成立は $a_1,\ a_2$ の少なくとも1つが1のとき.
n=3 のとき

\begin{displaymath}1+\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{2}<1\cdot \dfrac{1}{2} \cdot \dfrac{1}{2}+2,\ 1+1+\dfrac{1}{2}=1 \cdot 1 \cdot \dfrac{1}{2}+2
\end{displaymath}

したがって等号成立は少なくとも n-1 個が1のときと推測される.

「 n 個の実数 $a_1,\ a_2,\ \cdots ,a_n$ $0<a\le 1\ (i=1,\ 2,\ \cdots ,n)$ を満なら,任意の2以上の整数 n に対し,不等式

\begin{displaymath}a_1+a_2+ \cdots +a_n \le a_1\cdot a_2\cdot \cdots \cdot a_n+(n-1)
\end{displaymath}

が成立し,かつ等号が成立するのは $a_1,\ a_2,\ \cdots ,a_n$ のうち少なくとも n-1 個が1のときである」

ことを帰納法で示す.

n=2 のときはすでに示されている.

n のとき「 」内が成立するとする.このとき

\begin{eqnarray*}&& a_1\cdot a_2\cdot \cdots \cdot a_n \cdot a_{n+1}+n\\
&=&a_1...
...2のとき成立する仮定から\\
&\ge&a_1+ a_2+\cdots + a_n + a_{n+1}
\end{eqnarray*}

等号が成立するのは

\begin{displaymath}a_1,\ a_2,\ \cdots ,\ (a_n \cdot a_{n+1})のうち少なくともn-1個が1,かつ a_n,\ a_{n+1}のいずれかが1
\end{displaymath}

のときである.これになるのは次のいずれかである.
$a_1=a_2=\cdots =a_{n-1}=1$ かつ $a_n,\ a_{n+1}$の少なくともいずれかが1で,この場合少なくとも n 個1のもがあり,または
$a_n \cdot a_{n+1}=1$ $a_1,\ a_2,\ \cdots,\ a_{n-1}$の中の n-2 個が1 かつ $a_n,\ a_{n+1}$のいずれかが1,この場合も an=an+1=1なのでやはり少なくとも n 個1のものがある.

 よって n+1 の場合も「 」内が成立した.
したがって $n\ge 2$ のとき不等式が成立し,等号成立は $a_1,\ a_2,\ \cdots ,a_n$ のうち少なくとも n-1 個が1のときである.