京大理系前期4  問題 解答 2001年入試に戻る

  この問題は,正八面体とか,ベクトルの個数は関係ない.

 有限個の互いに異なる実数の集合には,最大の要素がただ一つ存在する.

 この事実が存在の根拠になっている.問題の本質がここにあることを試験場で見抜くのはたいへんで,空間ベクトルの見かけに惑わされた人が多かったに違いない.文系3番も同じことである.しかし,

始点がいろいろあるベクトルの集合は始点をそろえて考えよ.

ということを思い起こしたなら,この解に至ることも不可能ではなかった.

 入試問題解答集などには座標を設定して解いたものが載るだろうが,またそれが出題者の意図だろうが,ぜひこの本質を見抜いてほしい.あるいは出題者も密かにこの解を期待していたかも知れない.

本質を見抜けば見抜くほど証明は簡単になる

という見本のような問題である.