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九大前期理系

(1)
3点 $z_1,\ z_2,\ z_3$ は半径1の円 C 上の点なので,

\begin{displaymath}\vert z_i\vert=1 \quad つまり \quad z_i=\dfrac{1}{\overline{z_i}}\ (i=1,\ 2,\ 3)
\end{displaymath}

が成り立つ. 直線 z1w1 と直線 z3z2 が直交していることを示すためには,

\begin{displaymath}\dfrac{w_1-z_1}{z_2-z_3}
\end{displaymath}

が純虚数であることを示せばよい.ここで

\begin{eqnarray*}\dfrac{w_1-z_1}{z_2-z_3}&=&\dfrac{z_2+z_3}{z_2-z_3}
=\dfrac{(z...
...}-\overline{z_3}z_2}{\vert z_2-z_3\vert^2} \quad \cdots\maru{1}
\end{eqnarray*}


$z_3\overline{z_2}=\dfrac{z_3}{z_2}$が実数なら原点と $z_2,\ z_3$ が1直線上に あることになる.ゆえに実数ではなく,$\maru{1}$は共役2虚数の差なので純虚数である. ゆえに直線 z1w1 と直線 z3z2 は直交している. 同様に直線 z2w1 と直線 z1z3 も直交しているので 点 w1 は3点 $z_1,\ z_2,\ z_3$ を頂点とする三角形の垂心になる
(2)
$\vert w_2\vert=\vert\overline{z_1}z_2z_3\vert=1$より w2C 上の点である.

\begin{eqnarray*}&&\dfrac{w_2-z_1}{z_2-z_3}=\dfrac{-\overline{z_1}z_2z_3-z_1}{z_...
...ine{z_3}}
=-\overline{ \left(\dfrac{w_2-z_1}{z_2-z_3} \right)}
\end{eqnarray*}


したがって確かに w2 は,2点 $z_2,\ z_3$ を通る直線上に点 z1 から下ろした 垂線またはその延長線が円 C と交わる点である.
(3)
(1),(2)から $z_1,\ w_1,\ w_2$ は同一直線上にあり,その直線は $z_2,\ z_3$ を通る直線と直交している. したがって $z_2,\ z_3$ を通る直線に関して$w_1,\ w_2$ が対称の位置にあることを示せばよい. 一般に原点と $\alpha$ を結ぶ直線に関して z と対称な点は

\begin{displaymath}\overline{ \left(\dfrac{z}{\alpha} \right)}\alpha
\end{displaymath}

である.そこで

\begin{eqnarray*}\overline{ \left(\dfrac{w_1-z_2}{z_3-z_2}\right)}(z_3-z_2)
&=&...
...(z_3-z_2)\\
&=&-z_2z_3(\overline{z_1}+\overline{z_3})=w_2-z_2
\end{eqnarray*}


したがって,$z_2,\ z_3$ を通る直線に関してw1w2 が対称の位置にある. つまり 直線 z2z3上に点 z1 から下ろした垂線との交点は, 点 w1w2 を結ぶ線分の中点であることが示された.


AozoraGakuen
2002-06-21