2017年入試問題研究に戻る京大特色入試総人理系1番解答
問1 $ n+1 $ 枚のカードのうち,1から $ n $ のカードの部分について,手順の効率 $ P(n) $ で裏返すとき, ×が現れれば, $ n+1 $ 枚のカードについても $ m $ が求まる. すべて◯なら, $ n+1 $ 番のカードを裏返すことで, $ m $ が求まる. よって, $ n+1 $ 枚のとき手順の効率 $ P(n)+1 $ で $ m $ が求まる.よってその最小値について, \[ P(n+1)\leqq P(n)+1 \] が成り立つ.
問2 $ n< n' $ のとき $ P(n) > P(n') $ とする.
$ n $ 枚のカードが置かれたその右に×を $ n'-n $ 枚裏返しておく.この $ n' $ 枚について, 手順の効率 $ P(n') $ で $ m $ が求まり,その結果 $ n $ 枚のときの $ m $ も求まる. これは $ P(n) $ が $ n $ 枚のときの手順の効率の最小値であることに反する. よって, $ n< n' $ ならば $ P(n)\leqq P(n') $ である.間3 $ P(n) $ 個のところに◯か×を並べる. すべて◯は1通り, ×が1つは $ P(n) $ 通り, ×が2つは最後が×なので, $ P(n)-1 $ 通りあり, あわせて $ 2P(n) $ 通りある. 図1では $ P(3)=2 $ なので,4通りである.
それに対して, $ m $ が $ 0\leqq m \leqq n $ のいずれかの値で定まり, 並べ方を変えることですべての値をとる.よって, $ 2P(n)\geqq n+1 $ が成り立ち, $ n $ を大きくすると, $ P(n) $ はいくらでも大きな値をとる.
問4 $ P(2)=2 $ なので1となる最大値は1である.よって $ N(1)=1 $ . 上の例より $ P(3)=2 $ である.
$ P(4)=P(2)+1=3>P(3) $ となるので, $ N(2)=3 $ である.問5 $ N(p-1)+p $ 枚のカードがあるとする. このとき,左から $ p $ 枚目のカードを引く. それが×なら,1枚目から順に2枚目の×が出るまで引くことで,あわせて多くとも $ p $ 回の操作で $ m $ が分かる.
それが◯なら,引いたカードの右にある $ N(p-1) $ 枚のカードについて, $ p-1 $ 回の手順の効率で◯から×に変わる位置を求め, $ m $ を確定することができる.
したがって $ N(p)\geqq N(p-1)+p $ である.
$ N(p) $ 枚のカードを並べる. 左から $ p $ 枚目のカードを引く. それが○のとき,その右にある $ N(p)-p $ 枚のカードから $ p-1 $ 回の操作で $ m $ の位置を確定できる. したがって, $ N(p)-p \leqq N(p-1) $ である. あわせて $ N(p)=N(p-1)+p $ である. $ N(1)=1 $ なので, $ N(p)=\dfrac{p(p+1)}{2} $ となる.問6 \[ \begin{array}{rcr} 4◯→7◯→9◯→10◯&:&m=10\\ 4◯→7◯→9◯→10×&:&m=9\\ 4◯→7◯→9×→8◯&:&m=8\\ 4◯→7◯→9×→8×&:&m=7\\ 4◯→7×→5◯→6◯&:&m=6\\ 4◯→7×→5◯→6×&:&m=5\\ 4◯→7×→5×&:&m=4\\ 4×→1◯→2◯→3◯&:&m=3\\ 4×→1◯→2◯→3×&:&m=2\\ 4×→1◯→2×&:&m=1\\ 4×→1×&:&m=0\\ \end{array} \] より, $ P(10)\leqq 4 $ である.明らかに $ n=10 $ のとき3回では解けない. よって, $ P(10)= 4 $ である.