次: 部屋割り論法
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一つの方法のための準備が次の定理である.
定理 6
整数からなる空でなく
でもない集合
が次の条件を満たす.
このとき集合
はある整数
の倍数の全体と一致する.
集合は差をとる演算に関して閉じている.
整数からなる集合が差で閉じていれば,
ある整数が存在して
と表されるということを意味している.
証明
条件からである.
その結果,なら
である.
また,自然数に対してのとき
となるので,数学的帰納法によってならである.
このときでもあるので,整数に対してである.
の要素のうち正の要素からなる部分集合をとる.自然数の部分集合なので最小要素が存在する.それをとする.の任意の要素をとりで割る.
とおく.よりである.よって
である.
ここでもしならが正で最小の要素であることに反する.
よって,つまりの任意の要素はの倍数である.
つまり
である.
逆になので,最初に示したように整数に対して.
つまり,
も成り立つ.よって
が示された.
(証明終わり)
この定理の証明では,自然数の部分集合には最小の要素が存在することと除法の定理がもっともカギとなるところで用いられている.
以上の準備のもと,次のことが示される.
証明
(1)を示す. 整数解を,との最大公約数をとし,とおく.
が1の約数となり.つまりとは互いに素である.
(2)を示す.
集合を
とおく.
,がに属せば
である.したがっては整数の差で閉じた集合である.
その結果定理6によってはに属するある整数の倍数の全体となる.
このはの要素なのでと表される.
なのでももの倍数である.
つまりはとの公約数である.
とは互いに素なのでである.
よって方程式には解が存在した.
(証明終わり)
Aozora
2015-03-02