入試問題21のように,オイラーの関数を題材とする問題がある.まずこれを解いてみよう. この問題の(2)の解は異なる素数とに対して が成り立つことを意味している. 一般的に次のことが成り立つ.
証明 とし, を 1以上以下でと互いに素な整数とする. とし, もまた同様に選ばれているとする.
の組は
個ある.その一つをとる.
とが互いに素なので
この式の値をで割った余りをとする.
は
をに変え同様にしてをとる.
,
よりとはを法として合同でない.
よってを法として合同でない.
が異なる場合も,両方異なる場合も同様である.
と互いに素で互いに合同でない整数が少なくとも
個存在した.つまり
逆に
とすると,がともとも互いに素なので
を法としてに, を法としてに合同となるが存在する.
とがに関して合同でなければ
またはの少なくとも一方に関しても合同でない.
よって異なるに対する
の組はすべて異なる.
あわせて等号が成立し定理が示された. (証明終わり)
をとってみよう.
そしてとについてははの倍数ではないので を法として合同でない.
このようにして得られる個のが 1以上210以下で210と互いに素な数の全体となる.