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南海
古典的な平面幾何の論証による証明を紹介しよう.
図のように
の内接円と辺BCとの接点をD,
内心をIとし,AIと辺BCとの交点をP,
また辺BCの中点を,辺ACの中点をとする.
頂点Aから対辺への垂線の足をKとする.
点Pから内接円に辺と異なる接線を引き,接点をF,PFと辺ABの交点をGとする.
と直線AIの交点をE,直線AFと内接円の交点をLとする.
このときLは九点円上にあり,九点円と内接円はLで接している.
これを証明しよう.
必要なら点の名前をつけ替え
とする.
内接円と中心と通る直線APに関する対称性から
とEが線分BCとの中点であり,
A,C,K,E はACを直径とする円周上の点であるから,
内接四角形ACKEの対角とその外角の関係などより
この結果,接弦定理によって,
は
の外接円に接する.
よって方べきの定理から
|
(3) |
ここで
であり,また内接点と辺長の関係より
なので
.よって(3)と方べきの定理から
方べきの定理の逆からL,F,P,Kは共円である.
内接四角形LFPKの対角とその外角の関係などより
|
(4) |
ここで
は直角三角形で
がACの中点であるから,
.
よって
また
なので,
である.
(4)とあわせて
である.円周角の定理から,点Lが九点円上にあることが示された.
Lにおける内接円の接線をLXとする.L,F,P,Kは共円なので
これはLXが九点円にも接することを示している.
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耕一
すごいものですね.
円周角の定理は強力な定理です.
Aozora Gakuen