解き方がいろいろあって,どの解き方にするのか迷ったり, わからなかったりします.
このような2項間の漸化式について, およそのどのような解法があるのか,知りたいのですが.
南海 確かに,いろんな解法をまとめて書いてある参考書は少なそうだ.
ここでいろいろと考えてみよう. ただ,漸化式は必ずしも解くことがすべてではない. 数列の整数的な性質などでは, 漸化式で定まる数列の性質を漸化式そのものから示すことも大切なのだ.
また,確率や場合の数の漸化式では, 解く以前に漸化式を立てることが問題を解く要であったりする. そして立てた漸化式をもとに確率を計算していく問題も多い.
そのことを前提として指摘しておこう. そのうえで,ではまず,漸化式とは何か.
早苗 のように,を で表した等式です.
南海 漸化式は何を定めるのだろうか.
早苗 数列を定めます.
南海 どのようにして定めるのか?
早苗 の値は与えられていますので, それを順に代入していけば,数列が求まります.
南海 それは何を意味しているのだろう. そのことを,ここでは2項間の漸化式で考えよう.
2項間漸化式とは,
数列の第項を,
第項とを含む式によって
このときの値が与えられれば,この数列は一意に確定する.
それは数学的帰納法によって示される.
早苗
のときの値は与えられている.
の値が決まるとする.このとき によっての値が定まる.
したがってすべてのに対して,の値が確定する.
ですね. そうか,数列は初項をもとに漸化式によって定まることが数学的帰納法で示されるのですね.
南海 そうなのだ.これを漸化式による数列の帰納的定義という.
南海
いや.定まることと書けることは同じではない.
例えば
をの式で書くことを漸化式を解くという.
早苗 すると数列は未知数列で, それを満たす数列を具体的に求めることが,漸化式を解くことなのですね.
南海 未知数列であることをはっきりさせるためには, のようにした方が分かりやすいとも言える.
何にせよ,漸化式を解くことは簡単ではないのだ.
早苗 なんかも難しそうです.