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日本語をもういちど定義し直すこと、これが、近代の果て、大転換の時代に求められている。
それが、二〇一一年の二つの大きな出来事である東京電力福島原発事故の惨禍と『古典基礎語辞典』(大野晋)の出版が指し示したことだった。
私は日本主義とは次のことであると考える。この日本列島弧や琉球列島弧で、言葉をつむぎ命をつないで、縄文時代からでも一万五千年にわたって、人々は生活してきた。その暮らしのなかで形づくられてきた生きるかたちとそのことわり、それを後に定義するように里のことわりというが、それを自覚的に取り出し、それに学びそれを人生の土台として、今日の転換期を生きようとする立場である。
そのための基礎作業として、日本語の再定義という問題を考えたい。
AozoraGakuen