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しま

しま(島)[sima]

◯しま[sima]は住むからくる。「住む」[sumu]は「住まい」[sumai]にあるように[suma]の転化。住ま[suma]に対し[sima]は住む状態の土台、場所。[suma]は間をなすことが原義か。

※朝鮮語<syem>と同根。

◆住む場所。

▼周囲を水で囲まれた陸地。 ◇『古事記』歌謡「うち廻(み)る斯麻(しま)の埼々 かき廻る磯の埼落ちず」 ◇『万葉集』二二〇「をちこちの嶋は多けど名ぐはし狭埼(さみね)の嶋の」柿本人麻呂 ◇『万葉集』三五九三「大伴の御津に船乗り漕ぎ出ては、いずれの思麻(しま)に廬(いほり)せむわれ」

▽洲 ◇『万葉集』三二三二「島伝い見れども飽かずみ吉野の滝もとどろに落つる白波」

▼集落、村落の意。(近世になって多用)。 ある一区画をなした土地。勢力範囲にある限られた地帯。界隈。 ◇『浮き世草子・好色二代男』「此嶋ははじめての祝儀とて、先(ま)ず嚊(かか)が手元へ弐両なげれば」 ◇『浮き世草子・日本永代蔵』「他に頼む嶋もなく、爰(ここ)にかかり舟」