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しるす

しるす(記す、徴す、標す)[sirusu]

◯「しる(知る)[siru]」ようにすること。占有した(領る)ことをはっきりさせるために、何らかの形で表すこと。

◆紛れることなくわかるように、形にすること。はっきりさせる、きわだたせる。「しるし(標し)[sirusi]」はその形。

▼前兆を示す。 ◇『万葉集』三九二五「新しき年のはじめに豊の年思流須(シルス)とならし雪の降れるは」

▼霊験を表す。 ◇『今昔物語』一一・二九「此寺、供養のノ後、彼ノ御指のの験シ給ふとて」

▼目じるしをつける。 ◇『枕草子』二四四「立ちながら横ざまに投げ入れて、返りて流れんかたを末としるして遺せ」

▼書きつける。 ◇『万葉集』四三六六「常陸さし行かむ雁もが吾が恋を記し(志留志)て付けて妹に知らせむ」 ◇『大慈恩寺三蔵法師伝院政期点』「之を聖典に験(シルス)に」

▼それと認識する。 ◇『古今集』一〇〇三「つもれるとしを しるせば いつつのむつ(三〇)に なりにけり」