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おしえる

【おしえる(教える)】[osieru]

◆いとおしむ相手に対して、自分が大切にしていることを伝えること。 「おしえる」は語源的にも意味的にも「おしむ[osimu]」が前提である。相手を愛おしむことが「教える」ことのはじまりである。したがって、「教育」もまた愛おしむことが前提なのである。「おしむ」ものが「おしえる」から、相手は「おしえるもの」にひきつけられそのものを尊敬し「まなぶ」、つまり「まねぶ」ように促されるのである。ここに人間の教育の原点が要約されている。

▼自分のやり方に相手をひきつけ、あるいは説得し、そのようにさせる。行動や身の処し方などについて注意を与えて導く。さとす。「生き方を教える」 ◇『天理本金剛般若経集験記平安初期点』「一切の人を勧化(ヲシヘ)て此の経を読誦せしむ」 ◇『竹取物語』「すべきやうをしへさせ給ふ」 ◇『三宝絵中』「仏道を行なひて人をおしふ」

▼自分の知っていることを他の人に告げ知らせる。知識、技芸などを身につけるようにさせる。教授する。 ◇道を教える、数学(お茶)を教える。 ◇『古今集』七六「花散らす風のやどりはたれか知る我にをしへよ行きてうらみむ」 ◇『石山寺本金剛般若経集験記平安初期点』「波若経の義を解り、有知を暁(ヲシヘ)喩さむことを望ひ」

▼そそのかす。おだてたりして、悪い事をするようにしむける。教唆する。 ◇『今昔物語』二・二九「賊人を教へて此の羅漢を殺しつ」



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