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さいわい

【さいわい(幸い)】[saiwai]

■「さきはひ[sakihafi]」の変化。さく(咲く)[saku]、さかゆ(栄ゆ)[sakayu]、さかる(盛る)[sakaru]と同根である。

□タミル語<saku>【さく(咲く)参照】に「はひ」がつく。

◆生長のはたらきが頂点に達し、内から外に形を開くこと。「はひ」は「にぎはひ」と同じく状態を表す。いのちのはたらきが盛んな様。

◇『万葉集』八九四「そらみつ大和の国は皇神(すめかみ)の厳しき国、言霊のさきはふ国と」

▼神仏など他が与えてくれたと考えられる、自分にとって非常に望ましく、またしあわせに感じられる状態。運のよいこと。吉事にあうこと。また、そのさま。幸福。しあわせ。 ◇御笑納下されば幸いです。 ◇『伊勢物語』一〇七「身さいはひあらば、この雨は降らじ」 ◇『太平記』二「今こそ待処の幸(サイハイ)よと思ひて」

▽運よく。折よく。さいわいにして。好機として。 ◇『竹取物語』「さいはひに神の助けあらば」 ◇そうしていただければ幸いです。

※「さいわい」はもとは植物の繁茂が人にもたらす幸せをいうのに対し、 「さち」はもとは狩猟の獲物が豊富さが人にもたらす幸せをいう。

弥生系の言葉「さいわい」と縄文系の言葉「さち」とがある。 これが混成し、「幸い」は一定の場で人が耕し、ものが成り、そこから糧としての「さち」を得ることの幸せをいう。



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