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例で考える


例題 2.15       [01愛媛大]

$n$ を自然数とし,$1$ または $-1$$2n$ 個並べた数列 $(a_1,\ a_2,\ \cdots,\ a_{2n})$ を考える.例えば, $n=1$ のときは

\begin{displaymath}
(1,\ 1),\ (1,\ -1),\ (-1,\ 1),\ (-1,\ -1)
\end{displaymath}

の4通りがある.
  1. $\dfrac{1}{2}(a_1+a_2+ \cdots+ a_{2n})$は整数であることを示せ.
  2. $\dfrac{1}{2}(a_1+a_2+ \cdots+ a_{2n})$が2の倍数となるような 数列 $(a_1,\ a_2,\ \cdots,\ a_{2n})$は全部で何通りあるか.


これは出題者が例( $n=1$ の場合)で考えなさいと言ってくれている. $n=1$ のときは四つの場合,$a_1+a_2$は 0 か 2 か$-2$ のいずれかで, つねに偶数になる. 任意の $n$ に対しどのように考えればよいか. そこを考える.

(2)はどのように考えるか. (1)の考え方をふまえると$2n-2k$が4の倍数になるような数列の総数ということになる.

解答    
(1)     $a_1,\ a_2,\ \cdots,\ a_{2n}$の中で, 1と$-1$を可能なだけ組にする. $k$ 組できたとする. すると殘りは $2n-2k$ 個で, これらはすべて1か$-1$である.したがってその和は $2n-2k$ または $-(2n-2k)$ となり,つねに偶数である.

(2)  1の個数が $k$ である数列は${}_{2n} \mathrm{C}_k$ 通りできる.このとき-1は個あるので和はである.が4の倍数になればよい.

$n$ が偶数か奇数かで場合に分ける.

$n=2m$ のとき$2n-2k=4m-2k$なので$2n-2k$が4の倍数になるのは $k$ が偶数のとき.

$n=2m-1$ のとき $2n-2k=4m-2-2k=4m-2(k+1)$なので $2n-2k$が4の倍数になるのは $k$ が奇数のとき. ところが 二項定理

これから


\begin{displaymath}
{}_{2n} \mathrm{C}_0+{}_{2n} \mathrm{C}_2+
\cdots+{}_{2n} \m...
...}_{2n} \mathrm{C}_3+
\cdots+{}_{2n} \mathrm{C}_{2n-1}=2^{2n-1}
\end{displaymath}

なので,いずれの場合も $2^{2n-1}$ 通りである.□


例を考えると話しが具体的になり, 抽象的な証明も何をやっているかよくわかる.



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