例題 1.2 [鳥取大過去問]
ある試験において,20点満点の問題が5題出題されている. 各問いとも0点,5点,10点,15点,20点のいずれかで全部を採点するものとする.
解答
5問とも正解になるのは,1(通り)
4問正解になるのは
問題1〜問題5の各々から減点される点数を
とする.
条件
は
なら必然的に満たされる.
別解
工夫をすれば場合分けが必要でなくなる.
逆に
よってこれらはは1対1に対応している.
次の問題はどのような場合分けが必要かはそれほど明らかではない.
例題 1.3 [08京大文系]
正角形とその外接円を合わせた図形をとする,上の点Pに対して, 始点と終点がともにPであるような,図形の一筆がきの経路の数をで表す. 正角形の頂点をひとつとってAとし, とおく. また正角形の辺をひとつとってその中点をBとし, とおく.このときとを求めよ.
注:一筆がきとは,図形を,かき始めから終わりまで,筆を紙からはなさず, また同じ線上を通らずにかくことである.
考え方 このようなときは「例で考える」にしたがって, の値を4や5で考えてみるのも一つの方法である. 頂点から頂点に移動するには辺と弧のいずれを先に描くかで2通り. それに気づけば, 結局頂点をどの順に動いていくかという問題だということがわかる. (2)では, 頂点間の移動が辺と弦の両方通れるときと, 一方しか通れないときがあることと, ここにも場合分けの要素がこのようにあることがわかる.
一方,のときの場合の数をやとおいて漸化式を立て求めることもできる..
解答 について. 一筆がきの経路に関する場合分けは次の様に起こる.
について.
点Bのある辺をCDとする.左回りにC,B,Dと並ぶものとする.
点Bに始まり点Bに終わる一つの一筆がきに対し, 左回りなら最初のBDを書くところを最後に移動することでDから始まる一筆がきで, 最後にDに戻るとき辺を通るものが得られる. 右回りなら最初のBCを書くところを最後に移動することでCから始まる一筆がきで, 最後にCに戻るとき辺を通るものが得られる. 逆にこの操作を逆にたどることで,頂点を始点とする一筆がきで最後に始点に戻るとき辺を通るものから, その辺の中点を始点とする一筆がきが得られ,これは一対一に対応している.
したがって,は頂点から始まる一筆がきで,
最後に始点に戻るとき辺を通ると指定した場合の数に等しい.
この条件を付け加えた頂点を始点とする一筆がきはの計算で1.の部分をとしたものである.
別解 正角形の代わりに凸な角形で考えても同じことである.
角形のときのをとする. のとき, 左回りと決めるとは点の移動の順番の決め方が4通りある. 一つの順番に対し,辺と弧の選び方は通りある. 右回りも同数. ゆえに である.
角形に新たに番の頂点を加えると, その頂点を挟むもとの角形の2頂点の間の移動の仕方が, 2通りから4通りになる. これによって角形の場合の一つの一筆がきの経路に対し, 角形の場合の一筆がきの経路が2つ得られる.
さらに新たに付け加わった番目の点で折り返す一筆がきの経路が
右回りと左回りも考えて個できる.
ゆえに
同様に 角形のときのをとする. のとき, 左回りと決めるとも点の移動の順番の決め方は4通りある. 一つの移動の型に対し,Bのある辺は,一筆がきの最初と最後が辺を通り, 途中では弧を通ることが決まるので,通りある. である.
角形に新たに番の頂点を加えると, その頂点を挟むもとの角形の2頂点の間の移動の仕方が, 2通りから4通りになる. これによって角形の場合の一つの一筆がきの経路に対し, 角形の場合の一筆がきの経路が2つ得られる.
さらに新たに付け加わった番目の点で折り返す一筆がきの経路が
右回りと左回りも考えて個できる.
ゆえに