三文字の中から重複を許して5個の文字を選び,
横1列に並べてできる文字列をワードという.
文字列を含まないワードの総数,
すなわちの直後にがこないようなワードの総数を求めよ.
考え方 この問題をどのようにするか. 一つの方法は場合に分けて個別に数える方法だ.
しかし個の文字でできた文字列を含まないワードの総数をとおいて, 数列の漸化式を立てるのだ. それをさらにどの文字から始まるかで細分するとよい.
解答
n 個の文字でできた文字列を含まないワードの総数をとおく.
さらにそのうち,
から始まるものが個,
から始まるものが個,
から始まるものが個であるとする.
個の文字でできた文字列において,から始まるものとから始まるものは,後に続く個の文字列が から始まっても,から始まっても, から始まってもよいので通りある.
ところが個の文字でできた文字列のうちから始まるものは, 後に続く個の文字の決め方が, とから始まるものだけで, から始まるものを除かなければならない.
したがって
もちろんこれから一般項も求まるが, 一般項を求めなくてよいときでも, 樹形図などを書いて個数を求めようとするよりも, 漸化式の方が正確である.
例題 1.13 [03東大]
さいころを振り,出た目の数で17を割った余りをとする.ただし,1で割った余りは0である. さらにさいころを振り,出た目の数でを割った余りをとする.以下同様にして, が決まればさいころを振り,出た目の数でを割った余りをとする.
このようにして, を定める.
考え方 (1)は3回目に余りが0となる確率なので, 樹形図を書いて順次求めてもいけそうである. また実際不可能ではない. しかしやってみると結構たいへんである.
ここは個別の例から一般化するのではなく, 先にすべての起こりうる事象の確率を数列において,その相互関係, つまり漸化式を立てよう. 回目に,考えられるすべての余りのそれぞれになる確率を数列において, のときの余りが回のときの余りからどのように決まるかを考え漸化式を立てるのだ.するとこの試行のすべてがつかめる.
(2)(3)も一気に解ける. もし(1)を個別に考えていれば,(2)(3)段階で改めて必要な漸化式を立てねばならない.
一般項でなくて,決まった番号の場合の数や確率を求めるときにも,漸化式を立てる.
解答
を1から6の数で割った余りはつねに,
を1で割れば余りは,2から6の数で割った余りは,
を1か2で割れば余りは,3から6の数で割った余りは,
を1から6の数で割った余りは順に
である.
となる確率を, となる確率を, となる確率を, となる確率をと置く.
上のことから
また.
求める確率はである.