東大理 I 後期総合科目II 2 問題 解答 2001年入試に戻る


 情報処理の基礎理論をテーマにした問題である.連続量の確率だが常識的な考え方で解けます.
 ただ,連続量の確率における平均,つまり期待値は,平均や期待値に対する理解が深くないと,積分で求まることがわからなかったかも知れない.6 がいちばん難しかったのではないか.

 今年の総合科目IIは1番も2番も簡単な微分方程式が必要である.積分を一度すれば解けるのでここまでは現行の指導要録の範囲内,という出題者の考え方である.

 計算自体は簡単なので連続量の確率過程の問題としてぜひじっくりと考えてみよう.

3/19の解答訂正経過

3月19日に Kiki さんから次のメールをいただき,次のように返事しました.Kiki さんありがとうございます.

Kikiさん

さて、東京大学理科系後期総合問題U第2問について

南海先生の解答、3大予備校の解答速報では、 第2問の11.ですべて納n=0→∞]np(n)になっていますが、問題文をよく読むと、 「ある時刻tにおいて処理が実行中のものと待っているものを合わせてn個のジョブが 蓄えられている確率が・・・」とあるので、実行中のジョブ1個を除いて
納n=1→∞](n-1)p(n)
とすべきだと思うのですが、如何でしょうか?

南海

ご指摘の通りです.
最初私もこの点疑問に思いましたが,「すると常に1つは処理中でなければならないことになる」と考えてしまい,p(0)まで戻る以上 11 の「待っている」を「蓄えられている」の意味としなければならないと決めつけ,解答を作りました.
しかし Kiki さんの考えを読んでもう一度 p(0) を考え直しました.結果,これは処理が終わり次のものが到達していない状態であり p(0) と p(1) が「待っているものが 0 の状態」と考えるべきだと思います.解答に誤植もあり最後の部分訂正します.