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02東京理科大

(1)
結論の否定を仮定し,何らかの矛盾が生じることを示す. それによって結論の否定が否定され,結論が成立することを示す 証明方法.
(2)
$\sqrt[3]{2}$ が有理数であると仮定する.
証明1 $\sqrt[3]{2}=\dfrac{q}{p}\ (p\ と\ q\ は互いに素な整数)$とおく.
2p3=q3

となるので, q は偶数. q=2q' とおく.このとき
2p3=8q'3

より p も偶数となり,互いに素という仮定と矛盾した. ゆえに $\sqrt[3]{2}$は無理数.
証明2 $\sqrt[3]{2}=\dfrac{q}{p}\ (p\ と\ q\ は整数)$とおく.
2p3=q3

となる.左辺の因数分解における因数2の個数は3で割ると1余る. それに対して右辺の因数分解における因数2の個数は3の倍数. 素因数分解の一意性と矛盾した. ゆえに $\sqrt[3]{2}$は無理数.
証明3 $\sqrt[3]{2}=\dfrac{q}{p}\ (p\ と\ q\ は0でない整数)$とおく.
2p3=q3

となるので, q は偶数. q=2q' とおく.このとき
2p3=8q'3

より p も偶数. p=2p' とおく.これを代入して約すると
2p'3=q'3

再び $p',\ q'$ が2で約せ,これは何回でも繰り返せる. つまり $p,\ q$ とも2で無限回約せる. これは$p\ と\ q$は0でない整数という仮定と矛盾した. ゆえに $\sqrt[3]{2}$は無理数.


AozoraGakuen
2002-09-04