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金沢後期理系

(1)
$\mathrm{A}(k,\ l),\ \mathrm{B}(m,\ n)$ とする. N(A)=N(B) より kp+lq=mp+nqである.つまり

p(k-m)=q(n-l)

であるが, pq が互いに素なので k-mq の倍数でなければならない. ところが $0\le k,\ m<q-1$ なので

-(q-1)<k-m<q-1

である.この範囲で q の倍数は0しかない.つまり k=m . その結果 l=n となり, A=B であることが示された.
(2)
$\mathrm{A}^{\char93 }=\mathrm{A}$ とする.つまり

\begin{displaymath}q-2-m=m,\ p-2-n=n
\end{displaymath}

これから

\begin{displaymath}q=2m+2,\ p=2n+2
\end{displaymath}

となり, pq は公約数2をもち互いに素であることに反する.ゆえに $\mathrm{A}^{\char93 }\ne \mathrm{A}$ である.
(3)
条件 $N(\mathrm{A})\le pq-(p+q)$

\begin{displaymath}mp+nq\le pq-(p+q)
\end{displaymath}

である.他方,条件 $N(\mathrm{A}^{\char93 })\ge pq-(p+q)$

\begin{displaymath}(q-2-m)p+(p-2-n)q\ge pq-(p+q)
\end{displaymath}

である.ここで

\begin{eqnarray*}&&(q-2-m)p+(p-2-n)q\ge pq-(p+q)\\
&\iff&pq-mp-nq-p-q\ge 0\\
&\iff&pq-(p+q)\ge mp+nq
\end{eqnarray*}


ゆえに2つの条件が同値であることが示され,題意が示された.
(4)
(3)から N(A)=pq-(p+q) なら $N(\mathrm{A}^{\char93 })= pq-(p+q)$ となる.つまり等号が成立すると $N(\mathrm{A})=N(\mathrm{A}^{\char93 })$である. (1)から $\mathrm{A}=\mathrm{A}^{\char93 }$となるが,これは(2)の結果と矛盾する. ゆえに $N(\mathrm{A})\le pq-(p+q)$ で等号は成立しない. $\mathrm{A}(m,\ n)$ のとき

\begin{displaymath}(\mathrm{A}^{\char93 })^{\char93 }=(q-2-(q-2-m),\ p-2-(p-2-n))=(m,\ n)=\mathrm{A}
\end{displaymath}

なので,L の元 Aと $\mathrm{A}^{\char93 }$は1:1に対応する.(4)から $N(\mathrm{A})\le pq-(p+q)$ となる L の元 A の個数は L の半分である. L は明らかに (p-1)(q-1) 個からなるので,求める元の個数は

\begin{displaymath}\dfrac{(p-1)(q-1)}{2}
\end{displaymath}



AozoraGakuen
2002-06-21