2018年入試問題研究に戻る横国大後期解答
(1) \begin{eqnarray*} x^3+y^3+z^3-3xyz&=&(x+y+z)(x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx)\\ &=&(x+y+z)\cdot\dfrac{(x-y)^2+(y-z)^2+(z-x)^2}{2} \end{eqnarray*} と因数分解される. $x,\ y,\ z$ が実数なので,$(x-y)^2+(y-z)^2+(z-x)^2\geqq 0$. よって,$x^3+y^3+z^3-3xyz >0$ ならば,$x+y+z >0$ である.
(2) $x^3+y^3+z^3-3xyz=25$ のとき(1)から \[ (x+y+z,\ x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx)=(1,\ 25),\ (5,\ 5),\ (25,\ 1) \] である. \[ x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx= (x+y+z)^2-3(xy+yz+zx) \] なので,それぞれのとき, \[ (x+y+z,\ 3(xy+yz+zx))=(1,\ -24),\ (5,\ 20),\ (25,\ 25^2-1) \] である.$x,\ y,\ z$ が整数なので,$(5,\ 20)$ は不適である.
i) $(x+y+z,\ 3(xy+yz+zx))=(1,\ -24)$ のとき. $xy+yz+zx=-8$ なので,$xyz=k$ とおくと,$x,\ y,\ z$ は3次方程式 $ f(t)=t^3-t^2-8t+k=0 $ の3解である. \[ f'(t)=3t^2-2t-8=(3t+4)(t-2) \] なので,$f(t)$ は $t=-\dfrac{4}{3},\ 2$ で極である. $x\leqq y \leqq z$ のとき,$y$ は極をとる $t$ の値にはさまれていなければならない. よって,$-\dfrac{4}{3}\leqq y \leqq 2$ が必要であり,整数なので $y=-1,\ 0,\ 1,\ 2$ が必要である. このとき, \[ (y,\ x+z,\ xz)=(-1,\ 2,\ -6),\ (0,\ 1,\ -8),\ (1,\ 0,\ -8),\ (2,\ -1,\ -6) \] となるが, このうち整数の $x$ と $z$ が存在するのは,第4の場合のみで$x=-3,\ z=2$ である.
ii) $(x+y+z,\ 3(xy+yz+zx))=(25,\ 25^2-1)$ のとき. $xy+yz+zx=208$ なので, $xyz=k$ とおくと,$x,\ y,\ z$ は3次方程式 $ f(t)=t^3-25t^2+208t+k=0 $ の3解である. \[ f'(t)=3t^2-50t+208=(3t-26)(t-8) \] なので,$f(t)$ は $t=\dfrac{26}{3},\ 8$ で極である. 同様に,$8 \leqq y \leqq \dfrac{26}{3}$ が必要であり,整数なので $y=8$ が必要である. このとき, \[ (y,\ x+z,\ xz)=(8,\ 17,\ 72) \] となり,$x=8,\ z=9$ が存在する. \[ (x,\ y,\ z)=(-3,\ 2,\ 2),\ (8,\ 8,\ 9) \]