2020年入試問題研究に戻る一橋大5番解答
(1) 点の合計が $ n+2 $ になる事象は, 点の合計が $ n+1 $ で表が出るか, 点の合計が $ n $ で裏が出るかという排反な2つの事象の和事象である.よって, \[ p_{n+2}=\dfrac{1}{2}p_{n+1}+\dfrac{1}{2}p_n \quad \cdots@ \] がなりたつ.そして,和が1になるのは表が出るときであり, 和が2になるのは,表が2回出るか裏が1回出るときであるので, \[ p_1=\dfrac{1}{2},\ \quad p_2=\left(\dfrac{1}{2} \right)^2+\dfrac{1}{2}=\dfrac{3}{4} \] である.これから, \[ \begin{array}{l} p_3=\dfrac{1}{2}p_2+\dfrac{1}{2}p_1=\dfrac{3}{8}+\dfrac{1}{4}=\dfrac{5}{8}\\ p_4=\dfrac{1}{2}p_3+\dfrac{1}{2}p_2=\dfrac{5}{16}+\dfrac{3}{8}=\dfrac{11}{16} \end{array} \] である.
(2) $ @ $ より, \[ p_{n+2}-p_{n+1}=-\dfrac{1}{2}p_{n+1}+\dfrac{1}{2}p_n=-\dfrac{1}{2}\left(p_{n+1}-p_n \right) \] である.したがって, \[ p_{n+1}-p_n=\left(-\dfrac{1}{2}\right)^{n-1}\left(p_2-p_1 \right)=\left(-\dfrac{1}{2}\right)^{n+1} \] となる.これから, \[ \left|p_{n+1}-p_n \right|=\left(\dfrac{1}{2}\right)^{n+1} \] であり, \[ \left(\dfrac{1}{2}\right)^{5+1}=\dfrac{1}{64}>0.01,\ \quad \left(\dfrac{1}{2}\right)^{6+1}=\dfrac{1}{128}<0.01 \] なので,条件を満たす最小の $ n $ は6である.