2020年入試問題研究に戻る特色入試総人理系1番
ブラマンジエという型にはめて作るフランス由来のお菓子がある.ここではブラマンジエが,区間 $ 0\leqq x \leqq 1 $ 上の関数 \[ y=\sum_{n=0}^N\dfrac{s(2^nx)}{2^n} \] のグラフと $ x $ 軸で囲まれた領域を直線 $ x=\dfrac{1}{2} $ の周りに1回転してできる立体として与えられているとする. ただし,ここで $ N $ は自然数, $ s(x) $ は $ x $ から最も近い整数までの距離とする.
(1) ブラマンジエの体積を計算し, $ N $ を用いて表せ.
(2) (1)で求めた体積の $ N\to \infty $ の極限を求めよ.ただし,計算の際にパップス・ギュルダンの定理を証明無しに使ってもよい.ここでパップス・ギュルダンの定理とは次のものである:
面積 $ S $ の平面図形 $ A $ が,それと同一平面上の直線 $ l $ の一方の側(直線 $ l $ を含む)のみにあるとき, その図形 $ A $ を直線 $ l $ の周りに1回転させてできる立体の体積は,(回転による $ A $ の重心の移動距離) $ \times S $ となる.また面積 $ S $ の平面図形 $ A $ が,区間 $ a\leqq x \leqq b $ 上で $ \phi(x) \leqq \psi(x) $ となる連続関数 $ \phi(x),\ \psi(x) $ を用いて $ A=\{(x,\ y)\ |\ a\leqq x \leqq b,\ \phi(x) \leqq y \leqq \psi(x) \} $ と表せたとき, $ A $ の重心の座標は \[ \left( \dfrac{1}{S}\int_a^b\left(\psi(x)-\phi(x)\right)x\,dx,\ \dfrac{1}{S}\int_a^b\dfrac{{\psi(x)}^2-{\phi(x)}^2}{2}\,dx\right) \] であることも証明無しに使ってもよい.