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確率変数と確率分布

同じことになるが,根元事象に実数値を定める規則,といってもよい.

$U$の要素$u$に対して実数$X(u)$が定まる,つまり$U$から実数への写像が確率変数である. 数$a$に対し$X=a$である確率とは,数の値が$a$となるような結果の集合で定まる事象の確率のことになる.

\begin{displaymath}
A=\{u\ \vert\ X(u)=a,\ u \in U\}
\end{displaymath}

とすると

\begin{displaymath}
P(X=a)=p(A)
\end{displaymath}

である.これはまた

\begin{displaymath}
P(X=a)=\sum_{u:X(u)=a}p(u)
\end{displaymath}

とも表せる.$P(X=a)$で確率変数$X$が値$a$をとる確率を表す.

確率変数$X$のとる値の全体が $x_1,\ x_2,\ \cdots,\ x_n$であるとすると,$X$は 値 $x_1,\ x_2,\ \cdots,\ x_n$に対して確率 $p_1=P(X=x_1),\ p_2=P(X=x_2),\ \cdots,\ p_n=P(X=x_n)$を対応させる. この対応を$X$確率分布と言う.

例 5        確率変数$X$を,サイコロを振って3の倍数が出れば2点,その他の目では1点とする. すると確率変数$X$のとる値は1か2で,確率分布は

\begin{displaymath}
P(X=1)=\dfrac{2}{3},\
P(X=2)=\dfrac{1}{3}
\end{displaymath}

となる.



Aozora 2017-09-13