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確率変数

史織  「確率変数」はどのように考えればいいのでしょうか.

南海  確率空間$(U,\ p)$があるとする. $U$の要素である試行の結果に対して実数値が定まるとき,その実数を定める規則を確率変数という.

史織  $U$の要素$u$に対して実数$X(u)$が定まると言うことですか.つまり$U$から実数への写像ですね.

そうか.すると数$a$に対し$X=a$である確率とは,数の値が$a$となるような結果の集合で定まる事象の確率だ.

\begin{displaymath}
A=\{u\ \vert\ X(u)=a,\ u \in U\}
\end{displaymath}

とすると

\begin{displaymath}
P(X=a)=p(A)
\end{displaymath}

です.これはまた

\begin{displaymath}
P(X=a)=\sum_{u:X(u)=a}p(u)
\end{displaymath}

とも表せます.

南海  そうだ. このように特に断らなければ$P(X=a)$で確率変数$X$が値$a$をとる確率を表すことにしよう.

確率変数$X$のとる値の全体が $x_1,\ x_2,\ \cdots,\ x_n$であるとすると,$X$は 値 $x_1,\ x_2,\ \cdots,\ x_n$に対して確率 $p_1=P(X=x_1),\ p_2=P(X=x_2),\ \cdots,\ p_n=P(X=x_n)$を対応させる. この対応を$X$確率分布と言う.



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