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重心座標
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重心座標による図形の方程式
パスカルの定理の別証明
南海
以上の準備の下でパスカルの定理を重心座標を用いて証明しよう. 3次行列の行列式は,2次の場合と同様に考えればよい.
命題 3
円錐曲線
の周上に6点,A,B,C,D,E,F がこの順に並んでいる. 直線ABとDEの交点をP, 直線BCとEFの交点をQ, 直線CDとFAの交点をR とする.このとき
は共線である. ■
証明
の重心座標で考える. 頂点の重心座標はそれぞれ
である. 円錐曲線は
に外接しているので,その方程式は
(9)
とおける.他の3点B,D,Fの重心座標を
とおく.これらの点が方程式(
9
)をみたすので,
はすべてが0ではないので,
(10)
である.二点
,
を通る直線の方程式と, 二点
,
を通る直線の方程式は,それぞれ命題
1
より,
この交点を求める.これより
なのでABとDEの交点Pの重心座標は
同様にして,
,
を通る直線の方程式と,
,
を通る直線の方程式から BCとEFの交点Qを求めると
また
,
を通る直線の方程式と,
,
を通る直線の方程式から CDとAFの交点Rを求めると
となる.この3点の共線条件を調べる.
ところがこれは
なので,等式(
10
)より値は0,つまり3点P,Q,R は共線である. □
Aozora Gakuen