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太郎
座標というからには,成分間の関係式をみたす点の集合がどのような図形になるか,
ここを考えなければならないです.
重心座標での方程式がわかれば三線座標での方程式もわかる.
重心座標で考えます.
直線は通る点と方向を与えることで定まる.
通る点を
,
方向を
とする.
直線上の点
は
と表される.これから
となる.よって重心座標で点
を
とすると,
となる.これから
を消去して
を得る.これを整理して
 |
(6) |
を得る.逆に,
の斉次1次式
が与えられれば
となるように,第2,3式から
を定め
第1式から
を定まった比になるようにとれば,
直線のベクトル方程式が定まる.
よって直線の方程式は
の斉次1次式である.
命題 1
で定まる二点

を通る直線の方程式は
 |
(7) |
である.
■
証明
直線の方程式(6)に
を代入する.代入して整理すると
つまり方程式(7)を得る.
□
これはまた3点
が共線である条件でもある.
南海
円錐曲線の射影幾何での定義は,今後『幾何学の精神』でおこなう予定である.
ここでは,射影平面で斉次二次式で定まる点の集合を円錐曲線と定める.
いいかえると
を射影座標とするとき,
で定まる射影平面上の点の集合を円錐曲線という.これは行列を用いて
と表すことができる.
この円錐曲線は,重心座標ではどのような方程式で表されるのか.
これを明示的に表すために,
,
,
とする.
重心座標が
の点は直交ユークリッド座標では
で表される.したがってこれを射影平面におくと
とすると,
のみたすべき方程式は
となり,やはり二次の斉次式である.
これを整理し改めて係数を取りなおし,
重心座標による円錐曲線を
とおく.これが
の頂点を通ることを考える.
頂点の重心座標は
,
,
である.
これらが方程式を満たすので,
である.よって
これが,3頂点を通る円錐曲線である.
南海
これをもとに,
まず
の3頂点を通る円の方程式を重心座標で表そう.
命題 2

の頂点

の対辺の長さを

とする.

の外接円の重心座標による方程式は
 |
(8) |
である.
■
証明
方程式(8)が円錐曲線であることはわかっているので,
の外接円周上の点がこの方程式を満たすことを示せば,
方程式(8)が外接円の方程式である.
外接円周上に点
をとる.図のように弧
上にあるとする.
このとき円周角の定理から
である.よって外接円の半径を
とすると

(/2を/4に訂正)
トレミーの定理から
なので,点
の重心座標は方程式(8)をみたす.
円周上の他の位置にあっても同じなので,
円周上の点はすべて方程式(8)をみたし,
この結果方程式(8)が外接円の方程式である.
□
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