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はじめに

南海　 掲示板へ次の質問が来た．

例 1.4.1        長さ1の線分を，両端が放物線 $y=x^2$ の上にあるように動かすとき， その線分の通過領域を求めよ．

直線がある条件をみたしながら動くとき，その通過する領域を求める問題は，入試問題でも頻出だ． これはどのような方法があるのだったかな．

拓生　線分の通過領域は，結局，放物線上にある長さが1離れた2点を結ぶ直線 を考え，その通過領域のうち放物線の周と上部にある部分をとれば，求まるはずです．

長さが1離れた2点を $(\alpha,\,\alpha^2\,)\,\,,\,(\beta,\,\beta^2\,)$ とすると， 条件と直線は次のようになります．

$$\begin{eqnarray*} &&(\beta -\alpha)^2+(\beta^2-\alpha^2\,)^2=1\\ &&y=(\alpha+\beta)x-\alpha\beta \end{eqnarray*}$$

$\alpha,\,\beta$が第一式を満たして変わるとき，第二式の直線の通過領域を求めよ， ということです．

それで，ここから$\alpha\beta$を消去すると，

$$\{1+(\alpha+\beta)^2\}\cdot\{(\alpha+\beta)^2-4(\alpha+\beta)x+4y\}-1=0$$

です． $t=\alpha+\beta$とおくと，

$$(t^2+1)(t^2-4tx+4y)-1=0 \quad \cdots \maru{1}$$

です． $t$ は全実数を動くので，結局そのときのこの直線の通過領域を求めることになります． これを展開すると，

$$t^4-4xt^3+(4y+1)t^2-4xt+4y-1=0 \quad \cdots \maru{2}$$

左辺の最小値が 0 以下になればよいので，左辺を微分すると，

$$2\{2t^3-6xt^2+(4y+1)t-2x\}$$

でもこれは因数分解できない．

南海　 そこですこし発想を変えてみよう．