を射影座標とする.このとき,
もちろん,普通の平面の場合と同様,これが因数分解されて二つの直線などになる場合もある.
このとき,曲線上の点
に対して
この接線を『パスカルの定理』では微分で考えたので, ここでは少し違う形で考えよう.
のとき,
,
とおくと,曲線の方程式は
を通る直線の方向が
のものを,
媒介変数を用いて
ここに, , , , を代入して分母を払うと 先のの方程式が得られる.
伍郎 いちいち で書くのは大変ですね.
南海 そこで, とし, の式をと書こう. また接線の式をとおくのだった.
伍郎
『パスカルの定理』にあるようにはとに関して対称で,
定理 4 (極と極線)
から二本の接線を引く.接点をとする.
直線上の任意の点 をとる.
から二本の接線を引く.
接点をとする.
すると 直線はを通る.
証明
接点の座標をそれぞれ,とする.接線の方程式は
点 のことを極, 直線のことを極線といいます.
南海
さて.パスカルの定理だ.
定理 5 (パスカルの定理)
2次の斉次式で定まる曲線の上に異なる6点 と を取る.
直線 と直線 の交点を, 直線 と直線 の交点を, 直線 と直線 の交点をとする.
このとき3点 は一直線上にある.
南海 この証明のために,補題が必要だ.
補題 1
上に,任意の5点を与えるとき,
これらすべてを通る2次曲線が存在する.
これらの5点のうち,少なくとも4点が1直線上にないかぎり,
はただ一つに定まる.
この証明は代数的な準備が必要で,ここでは出来ない. 参考文献『代数曲線の幾何学』などを見てほしい. 2次の斉次式は6個の定数でできているが, 5個の通る点が与えられれば,係数の比が定まるところまでは, 何とかいけるが,一意性の証明はもう少し準備がいる.
それを今後の勉強の課題としておいて,パスカルの定理を証明しよう.
証明
点での接線と での接線の交点を
とかくと,
直線
は
以下同様に記号を定める.
そこで,次の二次式を満たす曲線
補題1から,とは同一の曲線となる.
同様に次の二次式を満たす曲線
二つの二次曲線の式は定数倍を除いて一致する.
左辺に
を代入すると0になるので,右辺も満たす.
そして
は
上にはない.よって,
ここで, と置くとこの式は
伍郎 これでパップスの定理も示せているのですか.
実はこの2次曲線は既約でなくてもいいのだ.だからとして との方程式の積で定まる曲線でいいのだ. そのことをはっきりさせるために, パップスの定理型に再編してみてほしい.
伍郎
直線の方程式をとし, 2次式を考える.
を通る直線の方程式をとする. 以下同様に次のように定める.
したがって式
と式
に
の座標を代入したものの比をとすると,
方程式
ところが のこの5点を通るので,補題1から 2つの2次式 とは定数倍しか違わない.
同様に,は
,
を通る.定数を選ぶと
よって
2つの2次式
と
は定数倍しか違わない.
の各1次式にその定数をかけ,
それを改めてその1次式にとりなおすことで,
2つの2次式
と
は一致するようにできる.
この2点はは満たさない.よってこの2点は
1次方程式