もちろんその他にも
今考えるのは,漸化式が定数との関数を用いて
この型の漸化式ですぐに解けるのはどのようなときか.
早苗 で なら等差数列です.
なら数列は等比数列です.
これらは一般項が求まります.
とすると,
でのときはです.
のときはです.
南海 その証明は?
早苗 えっ.そうかこれも数学的帰納法で示せばよい.
南海 そう.これはすぐにできる.
もうひとつのとき.これも教科書にのっている.
早苗
はい.階差数列が
となるので,のとき
南海 以上の3つは型のうち簡単に解ける漸化式だ.
その他の漸化式も,いろいろ変形を工夫して, このいずれかの解ける場合に持ちこむのだ.
そこで, 型の漸化式の解法をまとめよう.
解き方は,大きく分けて3通りある. それぞれについてまず一般的方法を述べて, 教科書にものっている 漸化式 をとして解きながら説明しよう.
つまり
これを,
をから辺々引くと
これから数列は公比の等比数列なので,
早苗 一つ見つけるといっても簡単ではありません.
南海 いや実は の場合,教科書はこの方法で解いている.
早苗
これは教科書では,
南海 これがまさに,解法1なのだ.
早苗 は?…. そうかわかりました.で定数の数列です.
南海 そうなのだ.
早苗
このときは
南海
この解法1はがの多項式のとき特に有効だ.
の次数をとする.次式を
早苗 がの多項式のときは, 一つの解自身がの多項式で得られるのですね.
南海 f(n) が cpn の指数関数型でもこの方法が使える. それはあとの例でやろう.
早苗 これも難しく見えます.
この方法で
を解くのはどうなるのですか.
この場合はなので
これは要するに
と
から
なので,
南海
階差をとる方法はがの次多項式のときにも有効だ.
早苗 でもそこから,階差数列を順に解いていくのは大変です.
南海 そうだ.の1次式や2次式なら可能だが,それ以上になると不便だ.
の場合は,例題でやってみよう.
もう一つ がの定数係数の 1次式であることを生かす解法がある.
の両辺を で割る.
早苗 などでは, で割らずに,で割るのも習いました.
南海
0でない定数で割って,
早苗 のような指数型のときは使えます.
早苗
解法1
でできないか考えてみます.
解法2
で解法2を用いる.
の両辺にをかけ,のときの漸化式から引く.
3項間漸化式から得られる2項間漸化式の一方がはじめの漸化式で,もう一つが新しく得られたものです.
解法3-1
漸化式の両辺をで割る.
解法3-2
漸化式の両辺をで割る.