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- (1)
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A(x)=A(y)B より各成分を比較して,
が成り立っているとき,
よって,
を満たす正の x が存在すれば,
それは
を満たす.
とおく. f(y) は y に関する単調増加関数で f(0)=1 .さらに f(y)>y である.
したがって x>1 のとき,z=f(y)と z=x は yz 平面で
y 座標が 0<y0<x である点で交わる.
つまり題意をみたす y がただ一つ存在する.
- (2)
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A(x)=A(y)B のとき,
である.
よってA(x) の各成分が自然数なら,0<y<x より行列 A(y) の各成分も自然数で
ある.
y>1 なら同じ操作をくり返す.今
A(yk)=A(x)B-k とおく. yk>0 であるが
さらにyk>1 であるかぎり
yk>yk+1 となる.
が得られる.自然数の単調減少列なので
となる k=m が存在する.
つまり
A(ym)=A(x)B-mで
A(ym)=A(1)=Bより
A(x)=Bm+1.
ゆえに n=m+1 とおくと確かに
A(x)=Bn となる自然数 n が存在した.
注
で
とおくと
u2-3x2=1
となる.つまり A(x) で x が自然数のとき,その1-1成分と1-2成分
は,ペル方程式
X2-3Y2=1
の自然数解になっている.
これは構造定理の別解になっている.
AozoraGakuen
2002-06-21