2017年入試問題研究に戻る神大理系4番解答
(1) 1回目と2回目あわせて $ k=1,\ 2,\ 3,\ 4 $ がそれぞれ $ a $ 回, $ b $ 回, $ c $ 回, $ d $ 回出るとする.
$ a+b+c+d=2 $ である. このとき点P $ _2 $ の座標は \[ (a+b-c-d,\ a-b+c-d,\ a-b-c+d) \] である.これが $ x $ 軸上にあるのは \[ a-b+c-d=0,\ \quad a-b-c+d=0 \] これから $ a=b $ , $ c=d $ となり, $ a+b+c+d=2 $ より, $ a=b=1,\ c=d=0 $ または $ a=b=0,\ c=d=1 $ である. よって点$\mathrm{P}_2 $ が $ x $ 軸上にある確率は \[ {}_2 \mathrm{C}_1\left(\dfrac{1}{4} \right)^2+{}_2 \mathrm{C}_1\left(\dfrac{1}{4} \right)^2=\dfrac{1}{4} \]別解 図のように,4点 $ (1,\ 1,\ 1),\ (1,\ -1,\ -1),\ (-1,\ 1,\ -1),\ (-1,\ -1,\ 1) $ は, たがいの距離がいずれも $ 2\sqrt{2} $ で等しく,原点を中心とする正四面体の4頂点をなす.
従って,これら4点は原点の周りに対称である.
1回目は $ 1 $ が出たとする.この場合, \[ \begin{array}{l} \overrightarrow{v_1}+\overrightarrow{v_1}=(2,\ 2,\ 2),\ \overrightarrow{v_1}+\overrightarrow{v_2}=(2,\ 0,\ 0),\ \\ \overrightarrow{v_1}+\overrightarrow{v_3}=(0,\ 2,\ 0),\ \overrightarrow{v_1}+\overrightarrow{v_4}=(0,\ 0,\ 2) \end{array} \] なので,2回目に2が出るときのみ,点$\mathrm{P}_2 $ が $ x $ 軸上にある. 対称性から,点$\mathrm{P}_2 $ が $ x $ 軸上にある確率は \[ 4\cdot\left(\dfrac{1}{4} \right)^2=\dfrac{1}{4} \](2) 同様に1回目は 1 とする. $ \overrightarrow{\mathrm{P}_0\mathrm{P}_2} $ は,(1)別解の4通りである.
3回目と4回目あわせて $ k=1,\ 2,\ 3,\ 4 $ がそれぞれ $ p $ 回, $ q $ 回, $ r $ 回, $ s $ 回出るとする. $ p+q+r+s=2 $ である. \[ \overrightarrow{\mathrm{P}_2\mathrm{P}_4}=(p+q-r-s,\ p-q+r-s,\ p-q-r+s) \] なので,その内積は $ \overrightarrow{\mathrm{P}_0\mathrm{P}_2}\cdot\overrightarrow{\mathrm{P}_2\mathrm{P}_4} $ はそれぞれ,順に, \[ 2(3p-q-r-s),\ 2(p+q-r-s),\ 2(p-q+r-s),\ 2(p-q-r+s) \] $ p+q+r+s=2 $ のもとで,これらが0になり得るのは,第2,第3,第4の場合で, 第2の場合, \[ p+q=r+s=1 \] が条件である.これは $ p $ と $ q $ が0と1, $ r $ と $ s $ が0と1なので,4通りある. 3回目と4回目のいずれで出るかの決め方が2通り. 第3,第4の場合も同様.よって求める確率は \[ 4\cdot3\cdot2\cdot4\cdot\left(\dfrac{1}{4} \right)^4=\dfrac{3}{8} \] である.(3) 4点$\mathrm{P}_0$,$\mathrm{P}_1$,$\mathrm{P}_2$,$\mathrm{P}_3$ が同一平面上にあることは, $ \overrightarrow{v_k} $ から選ばれた3ベクトルが同一平面上にあることと同値である. 対称性から1回目と2回目が1と1の場合,1と2の場合で考える. それぞれ4倍と $ {}_4 \mathrm{P}_2=12 $ 倍すればよい.
1回目と2回目が1と1の場合, 3回目がいずれであっても,4点$\mathrm{P}_0$,$\mathrm{P}_1$,$\mathrm{P}_2$,$\mathrm{P}_3$ が同一平面上にある.よって4通りある. 1回目と2回目が1と2の場合, $ \overrightarrow{v_1} $ と $ \overrightarrow{v_2} $ で定まる平面上に, $ \overrightarrow{v_k} $ が来るのは, $ k=1,\ 2 $ のときにかぎる. よって2通りある.
従って4点$\mathrm{P}_0$,$\mathrm{P}_1$,$\mathrm{P}_2$,$\mathrm{P}_3$ が同一平面上にある確率は \[ \left(4\cdot 4+12\cdot2 \right)\left(\dfrac{1}{4} \right)^3=\dfrac{5}{8} \] である.別解 $ \overrightarrow{v_k} $ のうちいずれの3ベクトルも1次独立で同一平面上にない. よって, 4点$\mathrm{P}_0$,$\mathrm{P}_1$,$\mathrm{P}_2$,$\mathrm{P}_3$ が同一平面上にある事象の余事象は, $ \overrightarrow{v_k} $ から異なる3つのベクトルを選ぶ事象である.
従って4点 $\mathrm{P}_0 $ ,$\mathrm{P}_1 $ ,$\mathrm{P}_2 $ ,$\mathrm{P} _3 $ が同一平面上にある確率は \[ 1-{}_4 \mathrm{P}_3\left(\dfrac{1}{4} \right)^3=\dfrac{5}{8} \] である.(4) $\mathrm{P}_n=\mathrm{O} $ となるのは,選ばれたベクトルの和が0ベクトルということである. いずれの3ベクトルも1次独立なので $ n\le 3 $ ではありえない. $ n=4 $ のとき. $ \overrightarrow{v_1}+\overrightarrow{v_2}+\overrightarrow{v_3}+\overrightarrow{v_4}=\overrightarrow{O} $ なので,これら4つが選ばれる場合である. $ n=5,\ 6 $ のとき. いずれの3ベクトルも1次独立なので,4ベクトルがすべて選ばれなければならないが, $ \overrightarrow{v_1}+\overrightarrow{v_2}+\overrightarrow{v_3}+\overrightarrow{v_4}=\overrightarrow{O} $ なので,さらに残るベクトルの和が0でなければならな. それはありえない. よって,$\mathrm{P}_n=\mathrm{O} $ となる確率は \[ \left\{ \begin{array}{ll} 0&(n\ne 4)\\ \dfrac{4!}{4^4}=\dfrac{3}{32}&(n=4) \end{array} \right. \] である.