2017年入試問題研究に戻る東工大5番解答
(1) $ f(x)=0 $ の2解が $ T $ 上にあれば,それは絶対値1の虚数解である. 逆に, $ f(x)=0 $ の2解が虚数解 $ \alpha $ と $ \bar{\alpha} $ をもてば, その積 $ \alpha\bar{\alpha}=|\alpha|^2=1 $ より,それは $ T $ 上にある. よって, $ f(x)=0 $ の解がすべて $ T $ 上にあるための必要十分条件は, \[ f(x)の判別式=c^2-4<0 \] である.つまり \[ -2< c< 2 \]
(2) $ F(x) $ の係数はすべて実数なので, $ T $ 上の解は \[ \alpha,\ \bar{\alpha},\ \beta,\ \bar{\beta} \] と書け, $ \alpha\bar{\alpha}=1 $ , $ \beta\bar{\beta}=1 $ である. \[ c_1=-(\alpha+\bar{\alpha}),\ c_2=-(\beta+\bar{\beta}) \] とおくと, $ c_1,\ c_2 $ は実数で, \[ F(x)=(x^2+c_1x+1)(x^2+c_2x+1) \] となる.
(3) $ F(x)=0 $ の解がすべて $ T $ 上にあるなら, $ F(x)=0 $ は(2)のように分解される. ここで, \[ (x^2+c_1x+1)(x^2+c_2x+1)=x^4+(c_1+c_2)x^3+(c_1c_2+2)x^2+(c_1+c_2)x+1 \] なので, $ a=c_1+c_2 $ , $ b=c_1c_2+2 $ である.つまり, $ c_1,\ c_2 $ は $ X $ の2次方程式 \[ g(X)=X^2-aX+b-2=0 \] の2解である. $ F(x)=0 $ の解がすべて異なり,かつ $ T $ 上にある十分条件は, $ c_1,\ c_2 $ が(1)をみたす異なる数であること, つまり $ g(X)=0 $ が異なる2解をもち,ともに $ -2
この条件は \[ g(\pm 2)>0,\ -2<\dfrac{a}{2}<2,\ a^2-4(b-2)>0 \] つまり \[ \begin{array}{l} 4\pm2a+b-2 >0,\ -4< a< 4\\ a^2-4b+8 >0 \end{array} \] これを図示する.